こんにちは。ペットライブス編集部のnokkosです。
突然ですが、愛猫の目やに、気になりませんか?
実は、姉妹サイト・ペットウェルの「猫の病気事典」で、年間を通して飼い主さんの閲覧件数が最も多い症状が、「目やに」なんです!
ちなみに、犬では上位10位にも入っていません。
なぜ猫だけに? 気になりますよね。
服部幸先生(江東区・東京猫医療センター院長)
アメリカのテキサス州にある猫専門病院 Alamo Feline Health Centerにて研修プログラム修了。8年間、猫の専門医療に携わり、2012年に東京猫医療センターを開院。▶東京猫医療センター
そもそも目やにとは、涙の中に含まれている粘液に、古くなった細胞や目に入ったごみなどが混ざってできた老廃物なんだそうです。なので、寝起きに茶褐色の目やにが少し出るぐらいは、正常な新陳代謝によるもので、あまり心配はいらないとか。
ところが細菌感染を起こすと、涙の中に「膿」が混ざってきます。また、アレルギー反応を起こしたり、目に傷がついたりウイルスなどが侵入して炎症を起こすと、目を守るための免疫反応の1つとして涙が大量に出ることがあります。時間がたつと二次的に細菌感染を起こすこともあり、このような膿状の目やにが出てきます。これが異常な目やにです。
とはいえ、目やにが病気やケガのシグナルであることもしばしば。大丈夫な目やにと、危険な目やに、どこで見分けるのでしょうか。
●色と量
コーヒーの絞りかすのような赤~赤褐色の目やにが、目頭や目の縁に少量ついているような場合は正常な新陳代謝によるもの。
目やにが黄~緑または白色の場合は細菌感染が疑われ、外傷や花粉症その他のアレルギーによる場合は、透明でサラサラした涙が出ます。
涙が止まらないようなときは角膜などが傷ついている恐れもあるため、早めの受診をおすすめします。反対に、涙の量が少なすぎて目やにが眼球についている場合もトラブルのサインと考えられ、注意が必要です。
●どちらの目から出ているか
どちらの目から出ているかも大切なポイント。両目から出ている場合は、細菌やウイルス感染の可能性が、片目のみの場合は、ケンカやゴミが入るなどの外傷の可能性が高くなります。
※経過が慢性的になっている場合は、ヘルペスウイルスでも片目のみに目やにが見られるケースもあります。
●目の様子
目やにや涙の状態だけでなく、目の中にも注意が必要です。痛がって閉じてしまう場合、瞳孔の大きさが左右対称でない場合、透明な部分に濁りが見える場合、まぶたをめくって腫れていたり白目が充血していたりする場合は、早めに受診を。
自宅でのケアについて
「目やには放っておくと固まってしまうため、気がついたときに湿らせたコットンやガーゼなどでこまめに拭いてあげることが1番。このとき、眼球には触らないように気をつけてください」とのこと。
人用のウェットティッシュはアルコール成分が入っていることがあり注意が必要です。ウェットティッシュを使用する場合はペット用のもの、もしくは赤ちゃん用のアルコール成分が入っていないものがおすすめです。
また、「細菌やウイルスによる感染が疑われるような目やにの場合は、感染力が非常に強いため、ほかの猫への感染を防ぐためにも、なるべく早めの受診を」と、服部先生は注意を呼びかけます。
症状が軽い猫風邪はとくに治療をしなくても自然に回復することもありますが、放っておくと気管支炎や肺炎に至る危険性もあるので、子猫や高齢猫は油断できません。
目やにを侮るなかれ!なかなか奥が深いですよ。
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