ペットの賃貸物件。犬好き・猫好きの皆さんなら、ヘーベルハウスの「プラスわんプラスにゃん」を知っている方も多いと思います。今回、そのヘーベルハウスさんが「ペット共生型賃貸住宅」を手掛けていることを知り、取材に行ってまいりました。
実は私の過去の経験では、ペットと賃貸は、“あんまり相性よくない”印象なんです。私が昔住んでいた賃貸マンションは、「普通なら敷金2ヶ月分だけどペット飼うなら3ヶ月」でした。ペット飼いたいなら金出せってことね…。ちなみにその敷金、明細も何もなしに1円も返って来ず、あまりに横暴では?と憤慨したものです。
猫NGのペット可物件に挫折したことも…
新居探しではマンションも検討したのですが、ペット可物件でもたいていが「1匹まで」「2匹まで」。しかもペット可といってもフタを開けてみるとOKなのは犬のみで猫はNGというところが多い。「猫はペットじゃないんかい!?」と憤りを覚えたことも…。当時猫を3匹飼っていた私は選択の余地がほとんどなかったことを覚えています。
つまり、賃貸や分譲関係なく、ペットと集合住宅は“あんまり相性よくない”というのが実感です。多頭飼いしなければよいのだろうけど、特に猫は、私に限らず多頭飼いが多い。特にお金がない若い頃や一人暮らしでは賃貸に住む人がほとんど。若い頃はペットの多頭飼いをあきらめざるを得ないの?とも思っていたのです。
マーケティング本部 吉澤好彦さん
ペットはトイプードルのCOCOちゃん。趣味はバンドでギター担当。
▸ペット共生型賃貸住宅プラスわんプラスにゃん
「ペット可」と「ペット共生」、似て非なるその内容とは!?
― まずお聞きしたいのですが、「ペット共生型賃貸」と「ペット可賃貸」って、何が違うんですか?
「ペット可賃貸というのは、ペット禁止の普通の賃貸を条件緩和したところが多いです。つまり、そのような物件は、ペットの飼育は許されているものの、ペットと暮らすことを想定した作りにはなっていません」
― あ、なるほど!「ペット可にしたら入居者が増えるかな」と条件を緩めたのが「ペット可物件」なのですね。本当は嫌(?)なんだけど、入居者がいないから条件を下げたというか。私が以前敷金3ヶ月分取られたのもそういうところか…。
「それに対し、ペット共生型というのははじめからペットと一緒に暮らすことを想定していますから、建物にもいろいろな工夫をしています。例えばへーベルメゾンは遮音性の高い「へーベル板」を床・壁・天井に使用しているので、騒音を通しにくく、また、ペット臭を軽減するイオン発生器を天井につけたりしています」
「猫の場合は、室内の壁で爪とぎしちゃうこともあると思うのですが、その場合も張り替えが半分で済むよう、壁紙を上下で貼り分けています」
― おお!これなら、飼い猫が壁で爪とぎしちゃっても、壁の下部だけ張り替えれば済むのですね。そう思えると精神的にラクかも。猫が壁で爪とぎしても、ものすごい剣幕で起こらなくてすみそう(笑)。
ちなみに、敷金、礼金を検索してみると、「敷金1ヶ月礼金1ヶ月」、こっちは「敷金2ヶ月、礼金0.5ヶ月」!?どこにも『ペット飼うなら敷金1ヶ月分プラス』とか『敷金3ヶ月』という文字が見当たりませんね。家賃も相場だし…」
「はじめからペットと暮らすことを前提としているので、ペットを飼う方と飼わない方との料金の差はありませんし、3ヶ月分の敷金などもほとんどないですね。もちろん、退出時の敷金精算は明細を出します(笑)」
― 特に若いときは賃貸に住むことが多いと思うので、家賃が良心的なのはありがたいですね…。ちなみに、何匹までOKなのですか?
「部屋の広さなどにもよりますが、犬猫合わせて3匹までのところが多いです」
― えーっ!賃貸で3匹可ってすごく珍しいですよね!?私のあの当時の苦労はなんだったのかという気分になってきました…。
「ペット可」と「ペット共生」は、住む人も違う
「ペット可の集合住宅の場合、ペットを飼っている人も飼っていない人も同じ建物に住むことになります。そうなると、住人どうしのトラブルが起こりがちというデメリットがあります」
― なるほど!
「ペット可」はあくまで「飼いたいなら飼っていいよ」だから…ペットの飼い主とそうでない人が隣り合わせで住むことも多々あるということですね。動物を愛してる人とそうでない人では、感情的な摩擦が起こりがちというのは、想像しやすいです…(汗)。頑張ってマナーに気をつけていても、やれ鳴き声がうるさいだの、抜け毛が洗濯物に付いただの、トラブルになりそうなのが目に浮かびます。
「で、ここまでは他のペット共生型賃貸との共通点ですが、『プラスわんプラスにゃん』では、『ペット審査』というものを設けているのが特徴のひとつです」
― ペット審査?
「はい。入居希望の方がいたら、まずは普通の入居審査を行います。その後、ペットの写真を数枚送ってもらったうえで、専属の獣医師やトレーナーと電話で話してもらいます。お話しからペットの飼育やしつけの状況などを判断し、ある水準まで達しなかったときは…
― 達しなかったときは…?
「入居をお断りしています」
― なんと!まるで受験のようなドキドキ感がよみがえってきます。でも、逆にいうと、入居者の方々はそれだけペットに責任をもった、意識の高い人たちが集まっているということですよね?
「そう考えています。98年にペット研究会を立ち上げ、研究を重ねてまいりましたが、集合住宅の場合、戸建よりも高いハードルが必要な面があることもわかりました。戸建に住む飼い主様は「ペットは家族の一員」という意識が高いと思いますが、集合住宅の場合「ペットは社会の一員」になる事が要求されると。
その結果、このペット審査を設けることにしたのです。その甲斐あってか、うちではペットに関する苦情というのは、本当に少ないんですよ」
― 集合住宅の場合、確かに近隣住人のパーソナリティーというのは大変重要ですよね。近隣住人とのトラブルで引っ越さざるをえなくなったケースも多いと聞きます。ペットに対して、ある水準以上の高い意識を持っている住人どうしなら、確かにトラブルは少ないのでしょうね。いいかげんな飼い方をしている人は、審査で落とされるのでしょうから。
「当社のペット共生型賃貸は、建物の造りなどのハード面はもとより、住人の審査やサポートなどのソフト面が充実していることが特徴といえます」
それでもトラブルが起きたときはどうするの?
― ペットに愛情を持ち、高い意識で飼育している入居者が多いことはよくわかりました。それでも、トラブルはゼロではないですよね?もしトラブルが起きたときにはどうしているのですか?
「ペット関係のトラブルなら、提携のトレーナーが指導します。今までの例では、吠え癖がある犬に指導に行ったりとか、ベランダに猫を出している飼い主さんに電話で指導することなどがありました」
― へえ!それなら安心ですね。私も猫をベランダに出したりしているの、とっても気になっちゃうんです。脱走しちゃうんじゃないかって…。でも直接言うのは気が引けるので、管理会社を通じて指導してもらえるなら安心です。
玄関からの脱走防止の二重ドア
ペットの飼い主にうれしいサービスがいろいろ!
「今までにも、犬の飼い主さん向けに『しつけ教室』や『アジリティ体験』などのイベントを開いていたのですが、猫の飼い主さんが増えて来たことを受けて、昨年『にゃんカレッジ』というイベントを開きました。これが大盛況であっというまに定員が埋まってしまって。今後も猫の飼い主さん向けのイベントをいろいろ企画したいなと考えています」
猫の飼い主さん向けに開かれた「にゃんカレッジ」の様子。
― 猫は「完全室内飼い」が規約なので、猫連れのイベントはなかなか行いづらかったとのことですが、猫カフェで開いた「にゃんカレッジ」は大好評だったとのことですね?
「はい。猫専門動物病院の山本宗伸先生(Tokyo Cat Specialists 院長)による猫セミナーでしたが、猫がプロジェクターの前に座って画面半分が見えなくなるというハプニングまでも楽しんでいただけたようで(笑)」
― わかります(笑)。猫好きは、自分ちの猫でなくても大好きですから。
講師の山本先生が動かすポインターを目で追う猫(笑)
「ほかに、ペットに関するご相談を住人専用ホームページで受けています」
― 健康相談や、飼育相談ができるんですよね?
「はい、獣医師やトレーナーが相談にお応えするシステムになっています。ペットを飼っていると、『動物病院に行くまでもないかもしれないちょっとした心配事』が出て来るものですが、そうした不安を解消できればと思い作ったシステムです」
― 聞けば聞くほど、ペットの飼い主にはありがたいサービスがたくさんですね!私が若い頃にこの賃貸を知っていれば…(泣)。いまの若い人たちにこの賃貸を大いに利用してもらって、ペットと幸せな暮らしを送ってもらいたいと願います!
(取材・文/富田園子)
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