サザエさんは著作権に厳しいから、「ネコ清水」画伯渾身のスケッチで。
♪ とるとっとっとっと お魚くわえたドラねこ〜♪
音痴な歌で始まりましたこの連載、歌ったのは猫の一休建築士・清水です。
日曜夕方6時半から放送している国民的番組のサザエさんですが、子供の頃、この歌が流れると、楽しかった日曜日が終わってしまうと寂しさを感じた方も多いのではないでしょうか。
さて、今回のお題は、サザエさん家の住環境はタマにとって幸せか?ということ。
田代島(宮城県石巻市)で出会った猫。今までこんな絵に描いたような「お魚くわえた猫」なんて見たことがなかったけど、田代島の港に早朝行けば普通に見られる光景。
高所に登ったり、爪を研いだり、猫にはサイコーの昭和初期の住宅
サザエさん家の間取りって(おー、建築士って感じ)、TVを見てるだけじゃ、なかなか分かりづらいですよね。ちょっと図面を起こしてみました。
5DKと言っていいのか分かりませんが、昭和の初めの平屋造りです。夜にワカメやカツオがトイレに行くのは遠くてきっと怖いですね。
サザエさんの家の間取り図。物語によってはコレと少し違う間取りになっていることも。所詮はアニメの仮想世界なので、なんでもアリ!
サザエさんは昭和の設定なので、猫のタマは自由に外とお家を行き来しています。今は完全室内飼い(私は猫を飼うという表現は好きではありませんが、仕事上使うこともあります)が多いですよね。外に出ると交通事故や病気などが心配です。
タマのご飯はネコマンマ(ごはんの上に鰹節や焼き魚の頭などをのせたもの)をあげているのでしょうか。それとも最近はキャットフード? 外に出ているので、近所の家でシロとかモモとか違う名前で呼ばれて、ご飯をもらっているかもしれません。それはそれで幸せでしょう。
タマは首に大きな鈴を付けていますが、あれはどうでしょうね? 動くたびに音がするし、獲物のネズミや鳥が気づいて逃げちゃうから、ストレスで胃潰瘍になる可能性がある、と書かれた猫の飼育書もあります。
では、家の中はどうかなと目を向けると、サザエさん家は昭和初期だから柱が表に出ている真壁造り(あ~プロっぽい)。だからタマが爪を磨ぐ柱やタタミがいっぱいある。障子や襖もたくさんあるし、家具だって柔らかい桐のタンス。猫にはサイコーでしょう。
アニメだからきれいに描いてあるけれど、ほんとはボロボロだったりするかもしれません。襖の鴨居はあるしタンスもあるから高い所にも登れるし、屋根にいることもある。
タマ、きっと楽しいだろうなぁ。
猫にとって一番大事なのは、人間の生活リズム
でも、何がタマにとって大事かといえば、サザエさん家の生活リズムなんです。ほとんど変化がありません。
サザエさんもタラちゃんもフネさんも大体お家にいるし、カツオもワカメも学校から帰ると遊びに出るけど、晩ご飯前には帰ってくる。夜遅く塾から帰ってきてチンして食事なんかしません。マスオさんも波平さんも、たまの週末には小料理屋で飲むことはあっても、普段、晩ご飯には皆そろっています。
つまり、人間の生活リズムと感情が安定していることが、猫にはとても大切だということ。お家の中で猫にとって一番自然に近い存在といえば、人間です。住環境というと設備や物ばかり考えてしまいがちですが、人間も猫の住環境の一部。しかも、それが一番猫に大切な環境要素なんです。
あとは猫に対する愛情。これは読者の皆さんには当たり前にありますよね。
生活リズムと感情の安定、それさえあれば特別な物はいりません(自分の仕事を否定しているみたいですけど)。もちろん猫への愛情とそしてお金のある人は、物理的な環境もぜひ整えましょうね(営業っ!営業っ!)。
では、物理的な環境整備のアドバイスについては、また追々。
◆愛猫ギャラリー 【今日の一休と海】
今年の夏は猛暑でこんな光景はずっとなかったのですが、最近少し涼しくなったので「一休兄ちゃん」大好きな「海」がベットで寝ている「一休」に、ピタっとくっつきに来ました。猫で秋を感じました。