今回は私(わんにゃん健康住宅研究所)がデザインと設計を頼まれた、猫たちと暮らすためのマンションリフォームの最新実例をご紹介したいと思います。
リフォームにあたって、ご夫婦から出された要望とは…
家族構成はご夫婦と愛猫が2匹でしたが、完成と同時にもう1匹子猫が増えていました。
ご夫婦からの主な要望は次のようなものでした。
1. エアコンがあまり好きでないので窓を解放して室内に自然の風を取り入れたい。そのために猫がベランダに出ないよう工夫してほしい。
2.猫はベランダには出さないが、万が一出てしまった時のベランダからの転落事故を防ぎたい。
3.本や小物を飾る壁一面の棚が欲しい。
4.洗面所に猫のトイレを設置したいので、既存ドアに開口を開けて欲しい。
5.猫による壁の爪とぎに対処して欲しい。
6.猫のために立体的な仕掛けを造り、遊んでいる猫たちを眺めたい。
7.以上の事が予算内で納まるように材料や工法を選定し、デザイン・設計をしてほしい。
ご夫婦と幾度かの打合せをした結果、工事費や工期のこと、近隣住人のことなどを考え、室内の解体工事をしないで造り付け家具で室内を構成することを提案させていただきました。また、既存のフローリングが気に入らないとのことで、フローリングの上に直接貼れるペット対応のフローリングを提案したところ採用になりました。
それでは、劇的(?)ビフォー・アフターの公開です!
ご夫婦の要望にどのように対応したか、順番にご紹介していきましょう。
1.猫がベランダに出ない工夫 他
Befor ↓ ↓ ↓
After
窓には猫がベランダに出ないように、ネット付き引き戸を付け、上部にはキャットウォークを設け、猫が外を眺められるようにしました。エアコン下には棚やボックスが自由に動かせるステップ家具を設置しました。
2.ベランダからの転落防止策
ベランダのアルミ手すりに取り付けられた猫の転落防止のためのポリカーボネート板。透明のため視覚を遮りません。取付金物は特注品。
ベランダにあるエアコンの室外機上部に猫が乗るのを予防するため、プラスチックのトゲトゲを置きました(園芸用の転用)。
ベランダのお隣との仕切り板下部のすき間をふさぐためのレンガ(アドバイスによりお客様設置)。
3.壁一面の棚
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After
壁面全体に要望の本棚を造り、最上部には猫が通り抜けられるように開口を開けています。ドア上部にはガラスキャットウォークがあり、ステップ家具へ繋がっています。
4.トイレへの通路確保
洗面室にある猫トイレに行くために、既存ドア下部に、猫の出入り口を開けました。
洗面室の猫トイレ置き場。上部に造り付け収納スペースも。
5.壁の爪とぎ対策
側面全部に、爪とぎ防止のため腰壁パネルを取付ました。また、左側に付いているのは可動式爪とぎパネル。ダンボールと塩ビクッションのハーフ&ハーフ。
ドア横の可動式爪とぎパネル。タイルカーペットと麻織物のハーフ&ハーフ。猫たちのお気に入りです。
6.猫のために立体的な仕掛け
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キッチン前面に収納棚を置き、下がり壁の下にキャットウォークを取り付けました。猫はコーナーステップから、ガラスキャットウォークを通り、本棚へ渡ることができます。
さて、いかがでしたか。猫にとって安全で快適な住環境をめざしましたが、はたして猫たちはリフォーム後の住まいを「なんということでしょう!」と満足してくれたのでしょうか(笑)。
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担当:清水
◆愛猫ギャラリー 【今日の一休と海】
一休と海、踊り寝のシンクロ
キャットライフ・キュレーター 清水満
一級建築士・愛玩動物飼養管理士
一般社団法人ペットライフデザイン協会 代表理事
猫作家プロデューサーペットイベントプロデューサー・猫関係セミナー講師
北海道生まれ。北海道の大自然の中、たくさんの動物たち(家畜・ペット・野生動物)と触れ合う環境で育ちました。もちろん動物大好き、猫大大好きです。大学卒業後はインテリアデザイナーを目指して東京へ。建築設計事務所、インテリアデザイン事務所に勤務の後、30歳の時、建築インテリア設計事務所「スタジオ・ナビ」を設立し独立。主にレストランや自動車のショールームなどの商業施設設計やマンションの企画などをしていましたが、愛猫の一休、海との路上での運命の出会いから、ペットと幸せに暮らす住宅の事を考えはじめ「わんにゃん健康住宅研究所」を立ち上げました。現在「ペット専門建築士」として活動中です。また、設計活動の傍ら「北の猫たち展」(札幌開催)などの展示会開催や猫作家支援、イベントの企画及び参加、TV出演など幅広く猫の専門家として活躍しています。
▶HP:わんにゃん健康住宅研究所
▶ブログ:猫の一休建築士