猫って、照明にもウルサイって知ってた?
今回は、猫と住宅照明がテーマ。実体験を元に、ある仮想家族の出来事からショートストーリー形式で始めます。登場人物は、真宇(マウ)家の人々。パパ、ママ、エリカちゃん(小学生)、ソラちゃん(オス猫)の家族構成です。真宇家の人々は半年前に念願の新しいお家に引っ越してきました。
新しいお家のリビングは素敵なのに、なぜ廊下にばかりいるの?
ママ 「新しいお家は広いし明るくてとてもいいわね。でもねパパ、新しいお家に来て半年たったけど、ソラちゃん夜になると相変わらずリビングからいなくなるのよ」
パパ 「そう言えばそうだね。廊下にいるね。どうしたんだろう? 新しいお家に慣れていないから落ち着かないのかと思ったけど、そろそろ慣れてもいいのにね。猫は居心地がいい所を探すのが得意だというけど、なんで廊下がいいのかな?」
エリカ 「パパ、ご飯の時やトイレの時はリビングに来るよ」
パパ 「ご飯もトイレも問題ないようなら、そのうち新しいお家に慣れてリビングにも来ると思うよ」
なんか居心地悪いんだよね、この部屋。ホントはみんなと一緒にいたいのに。
ソラちゃん一体どうしちゃったのでしょうね。
ソラちゃんは3年前にお友達の家で生まれた生後2ヶ月の子猫をお父さんがもらってきたそうですが、ここは猫の一休建築士の猫清水が[ソロモンの指輪]※を使ってソラちゃんに聞いてみましょう。
※[ソロモンの指輪]:旧約聖書の中で、天使ミカエルによりソロモン王に授けられた指輪。あらゆる動植物の言葉が理解できる力があると伝えられている。
猫清水 「ソラちゃん、新しいお家に引っ越してどうですか?」
ソラちゃん 「おじさん、聞いてくれる? 引っ越した時は新しいお家に戸惑ったりしたけど、今はもうほとんど探検し終わったからだいぶ慣れたよ。でもね、夜になってリビングにいると目がチカチカするし、ブーンって振動音がするんだ。とても落ち着かなくて居心地悪いんだよ。ホントはみんなと一緒にリビングにいたいのに・・・」
ソラちゃんがリビングに来ないのは、蛍光灯が原因だった!
皆さん解りましたか?
ソラちゃんが夜にリビングからいなくなる原因。暗くなると点けるものと言ったら、照明ですよね。
新しいお家のリビング照明の電球は蛍光灯だったのです。前のお家の照明は白熱灯の電球で、生まれたお友達の家の照明も白熱灯だったそうです。問題は蛍光灯の照明にあったのです。
不快な原因、解っていただけましたかな?
では、ここで蛍光灯について簡単に説明しましょう。
子供の頃、勉強机に付いていた照明は蛍光灯が多かったと思いますが、照明に顔を近づけると蛍光管の端がチラチラして見えた経験がありませんか。
蛍光灯は管内にアルゴンと水銀蒸気を封じ込めてあり、グロー放電によって水銀から紫外線を出します。それが管内に塗られた蛍光物質で可視光線に変えられ部屋を照らします。
通常 蛍光灯は電源の2倍、すなわち50Hzの電源を使うならば100Hz、60Hzの電源を使うならば120Hzで点滅を繰り返すように作られていますが、この点滅はほとんどの人間の目では感知できないように作られています。蛍光灯の寿命が近づき、一度の点滅の残光時間が短くなると、点滅の感覚が目立つようになります。これが光のちらつき(フリッカー)として見えるのです。
ほとんどの人は蛍光灯のちらつきを感じないのですが、まれに感覚が鋭い人がいて蛍光灯だと落ち着かないと言う人もいます。
猫は人間の何倍も動体視力や聴覚が鋭いので、蛍光灯のちらつきが気になるようです。しかも蛍光灯の安定器からはブーンという音も出ています。
蛍光灯の点いている部屋は人間には明るくて静かな空間ですが、猫にしてみれば、ちらちらしてうるさい空間なのかもしれません。特にソラちゃんのように生まれた時から白熱灯で暮らしてきた猫は、気になって落ち着けなかったのでしょうね。
もっとも、ペットショップなどは蛍光灯の照明が多いので、そこで仕方なしに慣れてしまう猫も多いでしょう。
早速、真宇家の照明を蛍光灯から 今流行のLED電球に取り替えました。
猫は白熱灯やLEDなど、優しい光を出す照明が好きなんです。
猫清水 「ソラちゃん、照明変えたけど、どう?」
ソラちゃん 「うん、前よりずっと落ち着くよ。エリカちゃんともたくさん遊べて楽しい」
猫清水 「そう、それは良かったね」
皆さんのお家も照明チェックしてみてくださいね。
猫は恋人たちのようにムードを大切にするので、照明も蛍光灯より白熱灯やLEDなど優しい光を出すものがよいでしょう。
◆愛猫ギャラリー 【今日の一休と海】
北海道の友人からお土産で貰った酒の肴の小魚を狙う猫ら。
そんな真剣な目をしてもあげませんよ!