入る?どうする?ゴロウちゃんの‘猫生’設計に、ペット保険を検討【後編】

【前編】【後編】

自分に合ったペット保険選びのポイントは?

お話を聞いていくうちに、ペット保険の内容がだんだんわかってきました。現在、ペット保険を取り扱うところは10社。比較するとつい保険料ばかりに目がいきますが、ほかにどんなことをチェックしたらいいか、ペット保険選びのポイントを平野さんにまとめていただきました。

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見よ!このノーテンキで平和な姿。こんな日々がいつまでも続きますように。(もちろん、日頃の健康管理も大切)

 

◎損害保険会社か少額短期保険業者か
ペット保険を取り扱うのは現在、損害保険会社(損保)で3社、少額短期保険業者(少短)で7社。少額短期保険業者とは、2006年の保険業法改正によって2008年4月以降に新たに登場した事業形態。取り扱うのは保険金額が少額で、期間が短期(通常1年、損保分野で2年)のもの。保険料控除もないが、ペット保険は損保でも保険期間は1年だし、そもそも保険料控除の対象でもないので、内容に関しては両者に大きな違いはなし。ただし、少短は破綻しても保険契約者保護機構の補償対象にならない(営業保証金を国に供託することで万が一の備えとしている)。


◎ペットの年齢と保険料を確認する
加入できる上限年齢を確認。加入時の年齢だけでなく、先々の金額も比較検討しよう。ちなみに、犬の場合は体の大きさや犬種によって保険料がかなり異なるので要チェック。


◎契約内容の確認。特に支払われない場合をチェック
定率補償か、定額補償か。定率補償の場合は、50%、70%、100%のどれを選ぶか検討。支払い条件や支払限度額などもチェック。特に支払われない場合を必ず確認しよう(たとえば、ワクチンなどの予防費用や不妊手術などは対象外)。


◎割引制度を確認
インターネット割引
(新規でインターネット経由で契約した場合に適用)、多頭割引(2頭目以降の契約に適用)、マイクロチップ割引(マイクロチップが装着されている場合に適用)、無事故継続割引(継続契約で、1年間保険の支払いがなかった場合に適用)などがある。


◎窓口精算か請求精算か
支払いは基本的に保険金請求書と領収書などの書類提出が一般的だが、対応病院で窓口精算できるタイプもある。ホームドクターのところが対応病院かどうかも一つの選択肢に。

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持参したパンフレットを見ながら、チェックすべきポイントを教えていただきました。
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「パンフレットをすみずみ読み込むのは大変。ネット上にはペット保険の比較サイトなどもありますので、まずはそこで検討して2~3社に絞り込んでからパンフレットを請求することをオススメします」
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条件を当てはめてみて検討。ゴロウちゃん1歳。マイクロチップ装着済み。手続きを考えたら窓口精算が便利かな。

保険に加入してもしなくても「ペット貯金」をしよう

現在のところ、ペット保険の加入率はペット全体の3.5%程度だそうです。加入するかどうかは飼い主さん次第だけど、ペットの医療費は人と比べて高額だということを念頭に置き、蓄えをきちんとしておくことが重要だと平野さんはアドバイスしてくれました。

「きちんとお金の管理ができる人ならば、保険に入らなくても自分で『ペット貯金』をして蓄えればいいと思います。ただ、現金は管理が難しく、他のことに使ってしまうこともあるし、減っていく恐怖感もある。その点、保険は自分で管理しなくてよいところがメリット。使わなければ(病気をしなければ)ムダという人がいますが、それは人の公的な健康保険でも同じことで、入っている安心感が大きい。保険はお金と心理的なケアをしてくれるものとして、うまく利用すればよいのではないでしょうか。ただし、ペット保険に入っても自己負担分があるので貯蓄は必要。貯蓄か保険かではなく、貯蓄も保険も、なのです」

なるほど。人の健康保険のような感覚で入っておけば確かに安心かも。ワクチンなど予防医療にも適用されればもっと便利なのに……など思うところもありますが、お金の管理があまり得意でない私には、医療費の備えとしてペット保険はよさそうです。 よし、決~めた!

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ボクのためにしっかり貯金もしておいてよ。
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どれどれ、どれくらい貯まったかな? けっ、小銭ばっかりだニャ~。


■おすすめのサイト

All About/ペット保険の最新事情とペット保険の比較 
http://allabout.co.jp/gm/gc/399022/

今回、取材に協力していただいた平野敦之さんが、ペット保険各社の情報をわかりやすく整理して比較しています。このほかにも、All Aboutの中でペット保険の基礎知識がわかる記事をたくさん執筆されています。

宮村美帆

フリーエディター、愛玩動物飼養管理士 動物好きの両親の影響で、子どもの頃から、犬、小鳥、ハムスター、鈴虫、錦鯉など、何かしら生き物がいる環境で育つ。動物看護師として2年間の動物病院勤務を経験した後、猫の月刊誌『CATS』の編集者に。その後、人と動物の今を考える雑誌『季刊リラティオ』の編集などを経てフリーランス。エディター、ライターとして、ペット(動物)、児童書(図鑑)、実用書、デジタル情報辞典などを手がける。 ずっと犬派だったが、動物病院勤務で猫の魅力に目覚め、猫雑誌の編集でどっぷりハマる。獣医…

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