【前編】 【後編】
愛猫・ゴロウちゃんの長引く通院をきっかけに、ペット保険の加入を考え始めました。皆さんはどうしてますか? 今回は、ペット保険にくわしいファイナンシャルプランナーの平野敦之さんに、ペット保険の概要や選ぶときのポイントなどを伺いました。
(ファイナンシャルプランナー/平野FP事務所代表)
証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。自分らしく安心した生活を送るためのライフプランを支援するファイナンシャルプランナーとして活動中。特に保険分野(生命保険・損害保険全般)の専門性が深い。大学での非常勤講師や行政機関、企業研修、セミナーなどでの講演や執筆活動も積極的に実施。生活総合情報サイト「All About」ではペット保険についても解説。主な著書に「快適マンションライフは保険で決まる」(住宅新報社・共著)。
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ペット保険でどんな補償が受けられるの?
ペットの医療には人間のような公的な健康保険制度がないし、自由診療で病院によって治療費がまちまちだから、ある程度の出費は覚悟していますが、将来的に大きなけがや病気で手術や長期の治療が必要となったときの備えとして、ペット保険はどうなんでしょう。そう思って数社からパンフレットを取り寄せましたが、そもそも私は自分の生命保険プランもつき合いの長い“保険のおばちゃん”に任せっきりで、こうした人生設計的なことは苦手(^ ^;) 周囲のペットオーナーさんに聞いても、興味はあるけど入っていないという人が多いのです。
ということで、平野さん、教えてください。ペット保険でどんな補償が受けられるのでしょうか。
「ペット保険のメインはケガや病気のときの医療費の補償ですが、そのパターンは大きく次の2つに分けられます」
◎定率補償タイプ
かかった治療費の一定割合を補償するもので、現在のペット保険の多くがこのタイプ。治療費の50%か70%を保険で補償するタイプが一般的。70%ならば残り3割が自己負担分。100%補償、つまり自己負担なしで全額を保険が補償するものもある(ただし、掛け金は割高で金額の限度は無制限でない)
◎定額補償タイプ
かかった治療費にかかわらず、一定の金額を補償するタイプ。人の医療保険にある入院給付金「日額5,000円」のように、支払った金額がそれ以上でも以下でも保険からは規定額が給付される。
噛みつき事故の補償は火災保険でまかなえることも!
ペット保険には基本的に「死亡保障」はないけれど、中には火葬・葬儀費用が限度額内で出たり、特約で付けられたりするものもあるとか。また、ペットが人や他人のペットを噛んでけがをさせた場合に補償してくれる「ペット賠償責任」を特約に付けられるものも。これは特に犬の飼い主さんにはよいのではないかと思ったら、
「加入している火災保険や自動車保険に個人賠償責任保険特約を付帯していれば、実は愛犬の噛みつき事故なども補償されるので、ペット保険であえて特約を付けなくても大丈夫。賃貸マンションで火災保険に入っている場合は、この特約がほとんど付いているはずです。個人賠償責任保険特約は知らずにけっこうダブって付けていることが多いので、確認してみてください」と平野さん。
そうなんだ! 案外知られていないプロならではのアドバイス、ありがとうございます。
ペット保険いつ入るの? そろそろかなあ~!?
私の場合はゴロウちゃんの通院をきっかけに“そろそろ”加入を検討し始めたわけですが、その“そろそろ”の時期にも限りがあり、いつでもOKではないのだとか。
「人の保険と同じで、ペット保険も年をとるほどに保険料が高くなるし、加入年齢の制限もあります。新規契約の上限の目安は10歳前後。また、健康であることも条件なので、通院が増える6~7歳から加入しようと思っても、健康上の問題があれば加入できないこともあります」
また、ペット保険の保険期間は1年間で、年齢とともに毎年保険料も上がるとのこと。ゴロウちゃんの現在の年齢1歳の保険料ばかりみていたけど、加入時の保険料がずっと続くわけではなく、先々までみないといけないわけですね!