「耳」から読み取る猫のキモチ

猫のパーツの中で一番大きい“耳”。その分、気持ちも表れやすいです。

 

気持ちに合わせて、大きな耳が大きく動く!

小さな音までキャッチできるよう、猫は大きな耳を持っています。そして、気持ちに合わせて大きく動きます。

<平静>

01リラックスした気持ちのときは、耳の力が抜け、自然な形に。下の「興味」との違いは、正面から耳の後ろ側が見えているところです。微妙な差ですが、気持ちは大きく違います。

 

<興味>

02何か興味のあるものを見つけたら、耳がその方向に真っ直ぐ向きます。「平静」との違いは、正面から耳の後ろ側が見えないところです。

 

<怒り・警戒>

03怒りや警戒心があるときは、耳が横を向きます。イライラして、相手を攻撃するかもしれません。怒ったときに耳の後ろを見せるのはトラやヒョウ、チーターなども同じで、耳の後ろにある白い斑点模様(虎耳状斑)を相手に見せることで、「威嚇してるぞ」と伝える、といわれています。
イエネコには虎耳状斑はありませんが、しぐさは共通しているということでしょうか。

04虎耳状斑が見えるチーター

 

<恐怖>

OLYMPUS DIGITAL CAMERA耳がないわけではありません(笑)。耳が完全に後ろに倒れて見えなくなっているのです。危険を感じているため耳を傷つけないようにするのと、相手に自分を小さく見せるという意味があります。

 

<複雑な心境>

06片方が正面、片方が横を向いています。人間でも片眉だけを上げた表情があるように、ひと言で言い表せない複雑な心境があるのです。

 

なんでこんなに耳が動かせるの?

人の耳の筋肉の数は6本ですが、猫はその5倍の30本。ですからこのように大きく耳が動かせるのです。
スコティッシュフォールドなど変わった耳の猫は、普通の立ち耳の猫よりも動きがわかりづらいですが、よく見ると耳のつけ根が動いていたりするので注意して観察してみてくださいね。

07ちなみにスコティッシュフォールドでも垂れ耳になるのは30%くらいで、垂れ耳のコでも季節や気持ちの変化で立ったりするそうです。面白いですね~

 

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富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所会員 幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。編集・執筆を担当した書籍に『マンガでわかる猫のきもち』『マンガでわかる犬のきもち』『野良猫の拾い方』(大泉書店)、『ねこ色、ねこ模様』(ナツメ社)、『ねこ語会話帖』『猫専門医が教える 猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)など。7匹の猫と暮らす愛猫家。 ▶HP:富田園子ホームページ ▶執筆&編集した本: 『マンガでわかる…

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