世界初の猫専用デザイナーズ・アパートメント「Gatos Apartment」のオーナー、木津イチロウさんが監修をした「Seilan Apartment」がこの春、横浜にオープンします。すでに多くの入居希望者が殺到しており、内覧会は大混雑とのこと。過日、そのアパートの見学に行ってまいりました!
目指したのは、「人も猫も気持ちよく暮らせる空間」
猫専用アパートというと、「キャットウォークがいたるところにある」「ファンシーでかわいい内装」というような部屋を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、壁に段々のキャットウォークがあることで、本当はそこに置きたい家具が置けないかもしれない。ファンシーでかわいい内装にしてしまったら、シンプルなテイストが好みの人は、落ち着かない。
そう、猫だけでなく「人も気持ちよく暮らせる空間」でないといけない、と、大家さんと木津さんは考えたのです。これには大賛成!私は猫好きですが、ファンシーな猫グッズが好きというわけではありません。世の中の人は「猫好き」にテンプレートなイメージを持ちすぎでは?と思うこともしばしば。
内装がシンプルなら、無印良品のようなシンプルテイストが好きな方はもちろん、様々なテイストにアレンジが可能!ベースはシンプルに越したことはないのです。
しかし、シンプルなようでも、そこには「猫飼いさん」なら納得の様々な工夫が…!実際に猫を飼ったことのある人にしかわからない、工夫の数々が散りばめられています。
玄関には、内ドアがあります。わかっていらっしゃる!
ドアから猫が脱走するのを防げます。あとからアコーディオンカーテンなどを取り付けるおうちもありますが、どうしても不格好になりがち。最初から内ドアがあるのがベストですよね。
内ドアの鍵は、外側からかけられるようになっています。
外出時に鍵をかけておけば、「猫が内ドアを開けてしまって、外から玄関ドアを開けたとたんにスルリ」という事件がなくなります。そして万が一玄関からすり抜けてしまっても、共同玄関のドアやフェンスの門扉で脱走を防げる仕様になっています。
玄関ドアと内ドアの間の空間は、「猫に触られたくないもの」の置き場として使えます。
そうそう、植物とか飾りたいですよね~。
洗面所には、猫トイレを2つ置けるスペースが!
これは普通のアパートにはなかなかありません。多頭飼いは、トイレを複数置くのが鉄則。しかも、洗面所のドアには猫ドアがあるため、来客時に「猫のウンチがプ~ン」なんてこともありません。洗面所には換気扇もあって、ニオイ対策はバッチリ。飛び散った砂が洗面所から出にくいのも高ポイントです。風呂場にも近いので丸洗いするのも便利。いやー、よく考えられています。
床は、汚れが掃除しやすいクッションシート。
一見フローリングのようで、優しい雰囲気です。クッションシートの弾力性は、猫の足にもいいとか。そういえば、我が家ではフローリングでよくドリフト(コーナーを回れず足が空回り)していることがあるなあ。
壁紙はなるべく凹凸の少ないものにして、猫の爪とぎを防ぐ仕様。写真にある芸術的な爪とぎは、入居者へのプレゼントだそうです!
網戸が取り付けられた、レバー開閉式の空気窓。ここにも脱走防止の工夫が。
1Fの2部屋には、2mのフェンスで囲まれた専用ポーチが!
隙間もことごとく塞いでいるので、猫は簡単に脱走できません。ポーチは結構広く、歩行者からも見られないので、「ここで猫をなでながら夕方ビールを飲めたら…」と妄想をふくらませる私。
引き戸は、ソフトクローズ機能付き(勢いよく閉めても、最後はゆっくりと閉まる)。
これで、猫を挟んでしまう事故を防げますね。(猫のしっぽを引き戸で挟んでしまい、しっぽが切れてしまった話などを聞きます…汗)
楽しいロフト&キャットウォーク!
2Fの3部屋にはロフトが付いています。なんだか秘密基地のようで楽しい~♪
ロフトまでは階段で上がります。階段の最後は体をかがめないと通れないのですが、これも獣道みたいで楽しい。この階段を使って猫は上下運動を思うままにできますね。
ロフトから下を眺めた風景。
実は!ロフトから猫が壁際をほぼ一周できるように、キャットウォークが取り付けられているの、わかりますか?
ロフトの左隅が、キャットウォークへの入り口。まっすぐ突き当ったら、エアコンの上を通って今度は右側へ。ここにすむ猫ちゃんは、運動不足になることはなさそう!楽しそうだなあ~。
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