東日本大震災のあと、「ウチも非常袋を作っておかなくちゃ」と思い、とりあえず用意していたものの、ぶっちゃけ、ホームセンターでそれらしきものを買い揃えただけで、本当に必要なものの取捨選択はできていない状態。さらに、猫のためのグッズはまったく考えられておらず・・・・・・(ゴメン、猫たち)
これではイカンと重い腰を上げ、非常袋の中身の見直しをしてみることに!
本気でシミュレーションしたら、用意しておくべきものが見えてきた
我が家は猫が3匹。災害時、家に私一人しかいなかった場合は、一人でキャリーバッグを3つ抱えて避難することになります。
猫たちを入れるキャリーバッグ。斜め掛けできるタイプが2つと、リュック型が1つ。
猫3匹を運ぶだけでも大変な作業。これに加えて非常袋を持つとしても、どうがんばっても非常袋は1つしか持てません。
猫を入れたキャリーを3つ身に着けたうえで、非常袋を抱えた図。非常袋(グリーンのリュック)は前に掛けることでどうにか持てている状態。しかし、これ以上は無理……!
ですから、猫のグッズは、本当に最低限必要なものだけを、このメインの非常袋に入れることにするしかありません。
何を優先して入れる?
うちには1匹、てんかん発作の持病をもつ猫がおり、毎日薬を飲ませています。薬がないと、発作が起きて大変なことに(汗)。ですから、薬は最優先です。1日の必要量は3/4錠。約1週間分の7錠を非常袋に入れることに決定。
キャットフードは全員が食べられるものをチョイス
動物救護体制が整えば、多くの場合ペットフードも届けられるはずですが、それまでの数日間は自分たちでなんとかしなければなりません。
ペットフードがない場合、犬はパンなど人間の食べ物を食べてしのげることも多いのですが、猫はおなかが空いていても、食べ慣れないものは頑固に食べないことが多いそう。
ですから、やっぱりキャットフードも非常袋に入れておくことにします。
しかし、我が家は3匹がそれぞれ違うフードを食べています。小分けパックなどがないフードなので、用意するとしたらジップロックなどに詰め替える必要がありますが、保存のために乾燥剤なども必要だし、管理も煩雑になりそう……。なんとか、フードの種類を減らす方法はないか? と考えたのが以下の図。
ふだん、3匹は別々のフードを食べているけど・・・
<ちゃー坊>
ふだんは肥満気味の成猫用フード。食いしん坊で何でも食べる。
<まこ>
ふだんは去勢後の成猫用フード。なぜかちび(下)のシニア用フードが大好きで、しょっちゅう盗み食いしようとする。臆病な性格でフードにも敏感。
<ちび>
ふだんはシニア用フード。決まったフードしか食べない傾向が。
⇒ちびのフードなら、3匹とも食べる! という結論に。
シニア用フードなのでカロリー少なめというのが欠点ですが、混乱している災害時、「この猫にはこのフード」などとやっている余裕は自分にはきっとない、という結論に。このフードの小さめパックを購入し、非常袋に入れることにしました。
左がシニア用フードの少量パック。計算すると、3匹に3~4日与えられる計算に。
サブで与えているモンプチの缶詰(3缶パック)も一緒に入れることに。猫たちはモンプチが大好きなので、食欲増進できるし、水分もとれる!というもくろみです。
猫用の飲み水は、人間用のものを共有します。
硬水は、猫が尿石症になってしまう恐れがあるのでNG。用意していた水は「軟水」だったので合格!これで、食関係は一応OK。
その他、非常袋に入れたもの
●猫と飼い主のプリント写真
猫が行方不明になってしまったときなどのために、それぞれの特徴がわかるプリント写真を用意しました。
「飼い主と一緒に写っている写真も必要」と聞いたときは、最初はなぜ?と思ったのですが、猫たちが迷子になって保護されたときに、「この子は私の猫です」と証明するために必要なんですね~。
そんなこと考えてもみなかったけれど、実際、以前起きた災害時には、似ているペットを間違えて連れて帰ってしまうなどのトラブルが発生したそう。「本当にうちの猫です!」といくら主張しても、証拠がないからと渡してくれなかったらイヤですよね。ですから私と夫がそれぞれの猫たちと写っている写真を用意しました。
プリント写真はジップロックに入れて水濡れなどを防止します。
同じ写真を、ケータイにも保存。手動でレバーを回すことで電力を作り、ケータイに充電できるグッズも用意したので、ケータイは使える算段です。
●ガムテープ、油性マジックペン、カッター、ビニール袋
非常用持ち出しグッズの記事にもありますが、これらは使い勝手のよい品々。ガムテにマジックで家族への伝言板が作れたり、段ボールをカッターで切ってハウスや猫トイレを作れたり。人間にも猫にも役に立つグッズです。ガムテは、目立つよう赤色のものを購入。文字が書けるタイプと書けないタイプがあるので注意! カッターは丈夫そうな太目のものを選びました。
これは人間用のグッズですが、今回追加したものです。
●眼鏡、小銭、身分証明書や保健証のコピー
・ふだん使っていない予備の眼鏡
・小銭
非常時に公衆電話から電話をかけたいときのために小銭を。非常時はものを買うにしてもお釣りが出ないことも多いので、そのためにも小銭があるとよいそうです。
・身分証明書や保険証のコピー
本物を非常袋に入れておくのは難しいので、コピーを用意しておきます。
非常袋に入れるグッズ、厳しい目で取捨選択を
今回非常袋の中身を見直したところ、「必要ないだろー!」というものが結構ありました。シャンプー&リンスとか・・・(汗) あったら便利かもしれませんが、優先順位的にはずしました(旅行かっ!)。数年前の自分、まったくリアルに考えられていなかったんですね……。
ペットのいるおうちは、その分必要なものが増えますから、厳しい目で取捨選択しないと、持ち運びできる容量に収まらない、ということがわかりました。
ちなみに、我が家の非常袋は5㎏ちょっとの重さになりました。「猫3匹+非常袋」の重さは、約18㎏。ハッキリ言ってすごく重いです。一応持てましたが、道路などがめちゃくちゃになっている状況で、はたして運べるか・・・・・・。もし難しいときは、非常袋は捨てて、猫たちだけを運び出すしかないんだな、と覚悟しました。
非常袋は、玄関の靴入れの中に。。。
その他のグッズは、家に二人いたときや、あとから取りに戻れる場合に持ち出すことに
その他のペット用品は、夫婦とも家にいた場合や、いったん猫を連れて避難したあと、家に取りに戻れるときに持ち出すことにしました。
サブの非常袋を作ってもよいのですが、フードの賞味期限をチェックしたりなどの管理が増える気もします。
考えた結果、キャットフードやペットシーツのストックを入れている倉庫(玄関からすぐの場所)に、IKEAのショッピングバッグを入れておき、非常時にはバッグに詰めて持ち出すことに。IKEAのバッグは容量が大きいし、丈夫なので我ながらグッドアイデアかも?
キャットフードやペットシーツのストックを入れている倉庫に、IKEAのバッグを一緒に。イザというときにこのバッグに入れて運び出します。
人と動物の防災を考えるNPO法人アナイス
代表 平井潤子さんからのアドバイス富田さんの猫への愛情を感じる非常袋ですね。愛猫にてんかん発作の持病があるなら薬の情報も大切です。薬のパッケージの裏面に印刷してある記号番号や容量を撮影し、携帯電話に保存しておくと、万が一持ち出せなかった時に役立ちますよ。
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