【ドッグトレーナー連載】教育支援犬ってどんな犬?~参加している飼い主さんに聞いてみました!

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教育支援犬_620

以前、教育支援犬についてご紹介しましたが、今回はより詳しくご説明していきます。近年、子どもの教育に犬が参加する取り組みについて取り上げられることが多くあります。都内の私立の小学校では、教師が犬を学校に連れていき成果を上げていることはとても有名です。

 

教育支援犬の誕生

教育支援犬は、教科のねらいに沿って求められることが学校や授業によって異なることから、子どもの教育をサポートする意味合いが強いと感じ、筆者が約十年前に「教育支援犬」と名付けました。筆者が活動している地域は、神奈川県相模原市が中心のため、相模原市内では小学校の授業に参加する犬のことを、「教育支援犬」として認識し広まっています。

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教育支援犬は、命ある教材として、教科のねらいに応じて活躍します。子どもたちを対象とするので様々な環境やアプローチに対しての適性チェックを行い、クリアした犬とハンドラーのペアが参加しています。ハンドラーは、犬の行動、感情をよく読み取り、適切な対応ができるよう研修を受けていることと、子どもたちに犬のことを説明したりするので、子どもの発達の特徴や障害についても学んでいます。教育支援犬は、今後普及していくためにも、動物介在教育への理解や、犬への理解が深まることが必要となります。

 

現場で活躍する教育支援犬

教育支援犬は、筆者が所属していた麻布大学介在動物学研究室での活動として実施し始め、その後SDS(スタディ・ドッグ・スクール)にて継続して実施しているので約十年の活動になりますが、当初は犬が学校に入るだけでも、学校側との十分な話し合いと協力体制が必要で、今のように学校から依頼が来るようなものではありませんでした。

教育支援犬について現場で活躍する人の話を聞いてみましょう。筆者と共に、長年にわたり、教育支援犬との授業に参加し、今年の冬に愛犬が引退したペアにお話を聞いてみました。教育支援犬との活動が飼い主さんや愛犬にとってどんな影響を与えていたのでしょうか。

<お話を伺った方>
小澤恵子さん&トム君(アメリカンコッカースパニエル、13才、オス)A00_0987_150
現在は筆者と同じ、スタディ・ドッグ・スクール(SDS)にて犬の幼稚園を担当し、小学校の授業の依頼があれば、愛犬トムを連れてハンドラーやエデュケーターとして参加しています。もともとは、活動のボランティアとして参加していましたが、SDSにスカウトされ現職へ。昨年12月に13歳になったことをきっかけとし、今年2月に最後の授業を終え、引退しました。小澤さん本人は、アシスタントとして、人のみで参加しています。
トム君はSDSのグループレッスンに参加して、4歳ごろから小学校の課外活動や高齢者施設への活動に参加し始めました。

1.教育支援犬の取り組みに参加しようと思ったきっかけは?
スタディ・ドッグ・スクール(SDS)のグループレッスンが一段落して、トムと何か一緒に楽しめることがないかと思っていたところに、教育支援犬の活動があることを知ったのがきっかけです。

2.参加してみての感想は?
親バカなので、自分の愛犬が他の人にも可愛いと言ってもらえ、嬉しい上に、子どもたちの教育のお手伝いになるなんて、なんて楽しいの!という感じです。

3.授業に参加しているときの愛犬の様子は?
おやつが大好きなので、子どもたちと何かをして誉めてもらってご褒美がもらえるのでとても集中し楽しそうにしています。学校に到着するとルンルンして会場に入っていきます。

キッズワンクラスでのトムの様子_572

4.参加して得られたことは?(よかったなと感じることなど)
2頭飼っていたので、トムとの2人だけの時間がたくさん持てたこと、子どもたちの笑顔がたくさん見られたこと、そしてそれに合わせてトムをたくさん可愛いと言ってもらえたことです。

5.愛犬が引退して今の心境は?
とてもさみしいですが、トムと一緒に学んだことをこれから継続していきたいと思います。トムがいてくれたおかげで今の私があります。

6.子どもとの交流で印象に残っているエピソードは?
・初めは犬に触れなかった子がトムだから触れたと言ってくれたこと
・子どもがトムではなく、飼い主の私になついてくれて、授業の初めはあまり乗り気でなかった子が、授業が終わる頃には抱きついてきてくれたことなど
本当にたくさんの思い出がいっぱいです。

 

インタビューから、愛犬が飼い主だけでなく、いろいろな人に愛される、可愛がってもらえるということが飼い主の喜びだけでなく、愛犬の喜びにもなっているということがとても印象深く感じました。

犬と人のいろいろな関係、お互いにWIN-WINでいられることがとても大事ですね。人のために犬も無理しない、無理させないことが飼い主の責任でもあります。犬が活躍できる場が広がることは、犬を受け入れる社会が増えることにもつながります。子どもの教育に携わることで、飼い主も犬も喜びにつながり、子どもの成長にも良い影響を与えてくれる、犬好き子ども好き人間からすれば、こんなにも素敵なことはないですね。

 

学術博士 鹿野 都

DSC_3044トリミング麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて人と犬の関係を学び、主に子どもと犬について研究を進め、2008年に博士(学術)号を取得。 大学院中にアニマルセラピーで有名なアメリカのニューヨークにあるグリーンチムニーズにインターンを経験し、動物介在介入の現場で学んだ。 大学院中に放課後キッズワン教室という子どもと犬が遊びながら学べる教室を研究の成果をもとに運営し、現在ではスタディ・ドッグ・スクール(SDS)にて引継ぎ13年となる。動物介在教育の分野では実践と研究に取り組み、SDSのみならず、他団体でもプログラム開発や指導を行っている。

動物介在教育指導者養成講座委員
セラピーアニマル評価者養成講座委員
麻布大学共同研究員


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