震災を他人事と思わないこと!SHIBUYA BOSAI FES 2016 〜渋谷区総合防災訓練レポート

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防災フェス

9月1日は防災の日。でも平日だとなかなか地元自治体の避難訓練等に参加しにくいものですが、渋谷区は、9月4日の日曜日に大々的にフェスという形で、渋谷区民に限らず広く参加してもらえるよう、呼びかけました。会場は、愛犬家も多く訪れる渋谷区代々木公園です。

たしか去年の防災の日は、大雨で来場者もまばら……だったけど、今年は全然雰囲気が違います。官民一体となったフェスとなって生まれ変わりました。NPOや企業の参加も目覚ましい『SHIBUYA BOSAI FES 2016 〜渋谷区防災総合訓練』です!

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防災訓練をフェスにしちゃうというのが、おもしろいです。親しみやすく、明るく、楽しく、防災を学ぶというコンセプトが新しい。それに渋谷区は、会社、学校、観光などで昼間は区外の人も大勢集まる街であります。住んでいる人だけの命を守る、だけではダメ(東京は災害にめっぽう弱い都市なのはご存知の通り。東日本大震災のとき都市機能が完全にストップしたことも記憶に新しい)。渋谷で被災したとき、冷静に対応できる人を増やしたい、防災が当たり前の渋谷区にしたい、という意気込みは、渋谷区在住の区民としてもちょっと誇らしいくらいです。

そして今回の「ペット防災」コーナーは、東日本大震災そして熊本地震の被災地支援をし続け、ペット防災について高い知見を持つ(一社)DoOneGoodの全面協力を得て、(一社)&PETSが主催しました。初めての挑戦でいろいろ大変だったのではないかと思いますが、とっても楽しく、かつためになる犬猫の防災コーナーでした。

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当日の早朝は雨が降り、お天気が心配されましたが、イベントスタート時には雨もすっかり上がり、お昼には日が射して、暑くなってくるほどでした。9月1日の防災の日の頃はまだ残暑が厳しく、ちょっと愛犬・愛猫の同行避難訓練の時期としては暑すぎるかもしれませんね。でも代々木公園には木陰もあるので大丈夫。木陰で休む犬と飼い主さんたちを見るのも微笑ましかったです。dsc_5356_572bよい天気に恵まれて、午後は暑くなりました。木陰で休む犬と飼い主さんも多かった。

 

被災地で使用される巨大テントが設置

当日は、熊本地震の際に実際に設置された(特非)ピースウィンズ・ジャパンの大きな大きなバルーンシェルター2基や被災者のために立てたテントがあったり、車中泊を想定したルノーのカングーの展示があったり、また自家用テントを検討するためのテントのメーカーの展示もありました。

dsc_5318_572バルーンシェルターは、大きな日陰をつくってくれる。雨もしのげる。ありがたい。

 

同行避難に関する展示物や小冊子

そして今年の春に世田谷区で開かれ話題となった「いぬと、ねこと、わたしの防災 いっしょに逃げてもいいのかな?展」が、このたび代々木公園に登場。同行避難に関する興味深い展示物が並びました。

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ちなみに、いっしょに逃げてもいいのかな?の答えは、「いっしょに逃げてもいいんだよ」です。その小冊子『ペット防災の基本BOOK』も販売されていました。私も入手しましたが、親しみやすく書いてあるのでとてもとっつきやすい。初めて犬猫を飼う人や、同行避難について今まで考えたことのなかった人にはとくにオススメします。

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避難時に便利なペットキャリーの紹介も

さらに避難所を模した展示もあったのですが、そこで面白かったのがリュック型のペットキャリー「リオニマル リュック型 ペットキャリー GRAMP」。同行避難するときは、両手が使えるようにリュックで背負い、避難所ではケージに早変わりするというグッズです。ペットボトルの吸水口までちゃんとついている。犬猫の体重は8kg (耐荷重は10kgまでですが避難グッズを入れることも想定し、8kgとしております)までOKとのことなので、小型犬や猫によいですね。うちのデカ黒猫まめちゃんも入れます。ちょっと欲しいな〜。

リュックで避難できるというのがいいですね。非常時には、私の右手にはクーパー、左手にはメルを持たないといけないかもしれないから(そのうえ水や食料のリュックも持たなくちゃ!こりゃ大変だ!)。震災って、いつくるかわかりませんからね。私ひとりしか自宅にいないときに来るかもしれないもの。

dsc_5351_572リュック型のペットキャリー「リオニマル リュック型 ペットキャリー GRAMP」

dsc_5353_572避難生活の場ではケージに早変わり。他人の視線を遮るように布をかけて、猫のストレスを軽減。また、動物が苦手な人にも配慮しています。

 

いざというとき、どうするか考えるきっかけに

と、いうように「自分が被災したとしたら、どうしよう。大丈夫かな」と考えるきっかけになるのが、このイベントの有意義なところだと思います。そのほか防災グッズや通信などを扱う企業の協賛も盛んで、渋谷区の意気込みを感じました。

熊本地震の支援を行う物産展や、(特非)ジェントルワンが企画した、清掃活動しながらウォーキングパレードに参加するCLEAN DOGチャリティウォーク、ペットの防災用品はじめとする楽しいグッズ販売のある&PETのマルシェ、カメラマンによる撮影会、似顔絵コーナーなどもあり、犬と一緒にちょっと散歩がてら立ち寄っても楽しいイベントになるよう工夫されていました。「防災」「避難訓練」と気負わずに、楽しく、でもしっかりと勉強になるフェスです。

dsc_5363_572-horz熊本物産展もありました。野菜やクッキーなどを買って応援!

 

行政の展示や、熊本地震の被災体験談も

行政の展示も充実していました。練馬駐屯地の自衛隊、東京消防庁、警察署、水道局(代々木公園に給水所があるなんて初めて知りました!みなさんも自宅にいちばん近い給水所をぜひチェックした方がいいですよ!)などがあり、話しかけると自衛隊や消防庁も水道局のみなさんが、実に気さくにいろいろお話をしてくれて親近感が湧きました。また行政側としても、住民の手応えがあるとやりがいがあるのではないかしら。dsc_5371_572代々木公園は渋谷区民の避難場所。自宅近くの防災施設をチェックすることも大事

今回は、熊本地震で実際にご自身も被災され、かつ被災した犬猫のシェルターの運営にかかわっているHUG THE BROKENHEARTS主宰、益城町いぬネコ家族プロジェクトサブリーダーの冨士岡剛さんの、いまの熊本の現状や、被災するというのはどういうことなのか、シェルターではどのようなケアをしているのか、などの体験談を聞くことができました。現地の生の声というのは実に説得力があり、被災者および被災犬猫の過酷な状況をうかがい知ることができたのも貴重な体験です。

dsc_5347_572益城町いぬネコ家族プロジェクトサブリーダーの冨士岡剛さんのお話はとても貴重。今回、熊本から試験的に被災犬3頭も上京し、譲渡会も開かれました。

 

来年も開催予定、ぜひ参加を

このフェスは「防災が当たり前の渋谷区」を目指して、来年も開催予定だそうです。来年の9月の頭あたり、ぜひみなさんもチェックしてください。自分の家族(犬猫含む)を守るため、そして東日本大震災や熊本地震などで今なお過酷な状況に置かれている被災者のみなさんへの想いを風化させないために、これからも自分でできることを考えていきたいと思います。

14182359_945271942267240_2053083479_n_572いざとなったら車中泊をするつもりだったけど、自家用車が倒壊した家につぶされたり、道路が寸断されたりすることもあるそうです。となると、やっぱりクーパーとメルも、体育館などで避難所暮らしをすることになるかもしれない!? やはり社会化トレーニングを頑張っておかないと!

【取材協力】
一般社団法人&PETS、一般社団法人 Do One Good、NPO法人 gentleone、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)、HUG THE BROKENHEARTS:益城町いぬネコ家族プロジェクト

 

白石花絵(しらいし・かえ)

Writer
フリーライター 
白石かえ(しらいし・かえ)

雑文家。東京生まれ。10歳のとき広島に家族で引っ越し、そのときから犬猫との暮らしがスタート。小学生のときの愛読書は『世界の犬図鑑』や『白い戦士ヤマト』。広告のコピーライターとして経験を積んだ後、動物好きが高じてWWF Japan(財)世界自然保護基金の広報室に勤務、日本全国の環境問題の現場を取材する。
その後フリーライターに。犬専門誌や一般誌、新聞、webなどで犬の記事、コラムなどを執筆。犬を「イヌ」として正しく理解する人が増え、日本でもそのための環境や法整備がなされ、犬と人がハッピーに共生できる社会になることを願っている。現在、ジャーマン・ショートヘアード・ポインターのクーパー(オス)、ボクサーのメル(メス)、黒猫のまめちゃん(オス)、熱帯魚(コリドラスなど)、そしてニンゲン2と暮らしている。趣味は、クーパーと野山へ行くこと。東京都渋谷区在住。

▶執筆サイト: dogplus.me 犬種図鑑
▶ブログ: バドバドサーカス

▶主な著書
『東京犬散歩ガイド』
『東京犬散歩ガイド武蔵野編』
『ジャパンケネルクラブ最新犬種図鑑』(構成・文)

『うちの犬—あるいは、あなたが犬との新生活で幸せになるか不幸になるかが分かる本』

 

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