8月20日は「蚊の日」。
1987年のこの日、イギリスの細菌学者ロナルド・ロスによって、ハマダラカ類の蚊の胃の中からマラリアの原虫が発見されたそうです。
さて、犬にとって蚊が媒介する重大な感染症といえば、フィラリア症。フィラリアは心臓に寄生して、放置すれば死に至る危険な寄生虫です。フィラリア症の予防薬ができるまでは、犬の死因の30%以上を占めていたともいわれています。
フィラリア症の予防薬ができたのは、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授のおかげです。1979年に大村教授が寄生虫に効果のある「エバーメクチン」を発見したことが受賞理由ですが、これが後に、寄生虫駆除薬「イベルメクチン」として、フィラリア症の予防・治療に絶大な効果を発揮することになるのです。
イベルメクチンが登場したのは1983年。当時(1986年)の犬の平均寿命はわずか6.5歳でしたが、30年を経て、今や14.36歳(2016年)に。この飛躍的な長寿化をもたらしたのは、獣医療全般の進歩もありますが、とりわけフィラリア症の予防薬が大きな貢献をしたことは間違いありません。
犬の飼い主さんは、大村教授に心から感謝です。