5月27日は「百人一首」の日。
1235年のこの日、藤原定家によって小倉百人一首が完成しました。
さて、もし愛猫がいなくなって、八方手を尽くしても見つからなかったら・・・百人一首の中には、そんなときに使われるおまじない(?)の歌があります。
「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む」
(中納言行平)
お別れして、私は因幡の国へ行きますが、因幡の峰に生えている松のように、あなたが「待つ」と言ってくださるのなら、すぐに戻ってまいりましょう。
在原行平が因幡に赴任する際に詠んだ歌ですが、いなくなった猫が戻ってくるようにという願掛けに使われてきました。この歌を紙に書いて、猫の通り道に貼っておくとか、猫の食器を伏せてその下に入れておくとか、やり方は諸説あるようです。
猫好きで知られる内田百閒の随筆『ノラや』の中にも、いなくなった愛猫、ノラが戻ってくるようにと、猫を探すためのチラシにこの歌を書き込むくだりが出てきます。
切ない飼い主心が伝わってきますよね。