「ペットの災害対策」犬と暮らす防災士の私が備えていること


全国で地震や台風などの大規模災害が起き、防災意識が高まっています。いざというときにペットを守れるように、しっかり備えておきたいですよね。
子どもの頃から地震が心配だった私は災害への対策に興味を持ち、取材を通じて知った防災士の資格を取りました。今回は甲斐犬と暮らす我が家の備えを紹介しましょう!東京都に住んでいるので、室内で暮らすペットの地震対策が中心です。

 

まずは心がまえ!命を最優先に守ろう

防災は非常食や水などのグッズが注目されがちです。しかし一番大切なのは、飼い主さん自身の命!飼い主さんが無事でなければペットを救うこともできません。環境省が作る「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」は改定を重ね、ペット同行避難を推進するようになりました。これは動物愛護の意味もありますが、ペットを助けようとした飼い主さんが危険な目に遭わないようにするためです。はぐれた動物の放浪や繁殖を防ぎ、保護する労力を減らす目的もあります。

我が家の防災_7

災害は飼い主さんが自宅にいない時、ペットが留守番している時に起きる可能性もありますが、無理に帰宅するのは危険!
我が家は賃貸住宅ですが、地震で倒壊したり水害に遭ったりする可能性が低い家を選びました。私が留守の間に災害が起きた場合も愛犬は無事なはず。安全が確認されてから落ち着いて帰宅するつもりです。

 

顔見知りのペット友達や近所の方がいると心強い

ご近所付き合いの少ない地域が増えているといわれますが、ペットの飼い主さん同士はコミュニティが作りやすいですよね。私も愛犬を介して知り合った方には、「いざというときには私と愛犬を思い出してくださいね」とお願いしています。災害ではありませんが、初代の愛犬ジュウザが亡くなったとき、心配した飼い主さんが訪ねてきてくれたこともありました。

2代目の愛犬サウザーを迎えたときにさっそく会いに来てくれた方もいて、とてもうれしく思いました。「この家にはペットがいる」と周囲に知っている人がいるだけでも、心強く感じると思います。災害時のことを相談しておくのも一つの方法。いざというときにも顔見知りの方々と助け合えれば安心ですね。

我が家の防災_6ペットを介した飼い主同士の交流は、情報交換やいざというときの助け合いに役立つはず。

 

ペットが安全に留守番できる環境づくり

災害はペットが留守番をしているときに起きるかもしれません。例えば地震が起きたとき、ペットの居場所に家具が倒れないように転倒防止策や配置の工夫をしておきましょう。テレビなどの家電は揺れで飛ぶ場合もあるので要注意です。

室内で自由に過ごしている犬猫は避けられる可能性が高いのですが、サークルやケージなどの決まった場所で過ごしている場合は対策が必須!家具や家電は正面に倒れたり飛んだりしやすいので、ペットの居場所の横に配置を変えるだけでも安全性は高まります。

我が家の対策は万全!と言いたいところですが、大きい窓ガラスの対策がまだ…。全面に飛散防止シートを貼ろうか迷っているところです。

我が家の防災_1サークルの近くに高い家具を置かないようにするだけでも安全性が高まる。我が家の場合、窓ガラスが割れてもカーテンである程度はガードされるはずだが、対策を考えているところ。

 

はぐれた・すぐに帰れないときの対策

ペットと離ればなれになってしまったときに備え、鑑札、狂犬病予防注射済票、迷子札を装着すること!鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は、飼い主の義務として定められています。マイクロチップも有効ですが、情報を読み取るリーダーの数が少ない地域もあります。

飼い主さん以外の人でも保護できるように、マテやオイデのトレーニング、いろいろな人に慣れる練習をしておきましょう。外出中に災害が起きた場合、まずは飼い主さんの安全確保が第一。帰宅するまでにペットが無事でいられるように、飲み水は常に用意しておきたいですね。

健康なペットなら、水があれば数日間は生き延びることができます。食器に入れた水は揺れでこぼれてしまう可能性が高いので、サークルなどの柵や壁に付けられる給水器を併用すると安心です。ただしノズルタイプの給水器は、慣れた犬猫でなければ十分な量を飲めないともいわれます。実は初代ジュウザはうまく飲めませんでした。2代目のサウザーは受け皿付きの給水器を使っています。

我が家の防災_3サウザーは、サークルやケージに取り付ける受け皿付き給水器を使っている。念のためノズルタイプの給水器も併用したいので、上手に飲めるように練習するつもり。

 

避難するときのシミュレーションをしよう

自宅や会社、学校、外出先の避難所の場所を確認しておきましょう。帰宅支援用の本やスマートフォンのアプリを用意しておくと安心です。そして、災害が起きたらペットを連れ、非常持ち出し袋を持って避難所へ!これは間違いではないものの、絶対に正しいわけでもありません。近年は耐震や免震住宅といった地震に強い建物が増えています。

我が家の防災_2私は方向音痴なので、帰宅支援用ののアプリを見ているうちにスマートフォンの電池を消耗してしまうかも……と思い、じっくり見られるように本も用意した。

高台であれば水害の心配もなく、必ずしも避難しなくてもよい場合もあるはずです。また、一戸建て住宅と高層マンションでは状況が異なります。住まいや災害に合わせて避難の有無や方法を確認しておきましょう。「たぶん大丈夫」は危険です。
もし災害時に自宅が無事だった場合でも、避難所には足を運びましょう。避難所は物資や情報が集まる拠点なので、必要なものを受け取ることができます。困っている人がいれば助け合うことも大切ですね。

 

家庭に合わせた防災グッズを分散収納

東京都が発行した『東京防災』をはじめさまざまな資料に、備えておきたい防災グッズが掲載されています。非常用持ち出し袋にまとめられれば安心ですが、運べる量には限りがあります。万が一に備えて自宅や物置などに分散して置いておき、災害が落ち着いて安全が確保できたら取り出してもよさそうです。家族の人数、収納場所、ペットの種類や頭数などに合わせてそろえましょう。

防災グッズは飼い主さんとペットが共有できるものもたくさんあるので、上手にそろえれば荷物を減らすこともできます。例えばもしドッグフードがなくなってしまったら、一時的に乾パンをあげるのも一つの方法です(アレルギー症状に注意)。

●我が家のペット用防災グッズ
「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を参考にしています。
・ドッグフード 1カ月分
・長期保存水 2L24本(人と共有)
・消費期限が切れた保存水(何かを洗ったり拭いたりできる)
・食器
・首輪とリード
・トイレシート(人も使える)
・ペットの写真
・健康手帳
・ソフトケージ など

我が家の防災_4水や保存食などの重いものは落ちてもけがをしない場所に保管しよう。トイレットペーパー、ウェットティッシュ、食品用ラップフィルム、浄水器、ガムテープなどもペットとの避難生活に使える。

 

ちょっとの工夫で日常生活が防災になる!

災害時には行政やさまざまな団体から支援物資が届くはずですが、災害の規模や場所によっては日数がかかる場合もあります。それまでペットと共に自力で生き延びられるように、日頃から心がまえをしておき、必要なものも備えておきましょう。

とはいえ、知り合いの方と話したり、自宅の状況を確認したりするのは特別なことではありません。必要なものを使ったら買い足す「ローリングストック」なら、自然に備蓄品を備えることができます。例えばドッグフードをまとめ買いしておくだけでも災害への対策になるんです。日常生活が防災につながるように、楽しみながら工夫しましょう!

<関連リンク>
【保存版】大切なペットを守るための防災対策ガイド<まとめ>

金子志織

編集&ライター、愛玩動物飼養管理士1級、防災士、ヒトと動物の関係学会会員、いけばな草月流師範 前職はレコード会社でミュージシャンのファンクラブ運営を担当。そのときに思い立って甲斐犬を迎える。初めての子犬の世話に奮闘するうちに動物への興味が湧き、ペット雑誌や書籍を発行する出版社に転職。その後、フリーランスのライター・編集者として独立。飼い主さんと動物たちの暮らしに役立つしつけや防災の記事から、犬のウンチングスタイルなど雑学の記事まで作成。現在も犬と猫を中心に、ペット関連のさまざまな雑誌、書籍、We…

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