愛犬の皮膚トラブルに悩む飼い主さんが気軽に利用できる、病院とカフェの複合スペース by臼井京音

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高温多湿の時期は、細菌が繁殖しやすかったりして、愛犬の皮膚や耳の状態を健やかに保つのに苦労するかもしれません。
今回は、愛犬の皮膚や耳の健康に悩める飼い主さんが理想とするような空間を実現している、hiff cafe tamagawa × pet skin clinicを訪れ、小林真也獣医師に、クリニックとトリミングとカフェという3つのサービスがひとつになった新しいタイプの施設についてお話をうかがいました。

<お話をうかがった先生>
hiff cafe tamagawa 獣医師:小林真也先生
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2005年に北里大学獣医畜産学部獣医学科を卒業後、埼玉県内の動物病院で勤務。 北里大学附属動物病院で2年間研修医として勤務し、現在はウッディ動物病院(寒川町)と川畑動物病院(横須賀市)で 皮膚科を中心に診療する傍ら、東京農工大学皮膚科研修医として皮膚科学を学んでいる。
所属:日本獣医皮膚科学会、日本獣医がん学会、東京農工大学皮膚科研修医
hiff cafe tamagawa × pet skin clinic

犬のストレス軽減を考えて

神奈川県にもほど近い東京都大田区田園調布に昨秋オープンした、hiff cafe tamagawa × pet skin clinicは、多摩川駅から徒歩1分のところにあります。1階は、テイクアウトOKのコーヒースタンド。その地下が、犬OKのカフェとトリミングサロンとペットスキンクリニックの3つがそろう複合スペースです。

テイクアウトOKの1階のカフェ横の階段を下りて、愛犬と飼い主さんのためのスペースへ

そもそもカフェめぐりが趣味だという、小林先生、後藤慎史先生、久保聡先生の皮膚科専門の3名の獣医師が始めたカフェ内には、「獣医師やトリマーの誰かがよくいるので、気軽に声をかけてくださいね」と、小林先生はほほえみます。地下のカフェスペース。愛犬を連れてゆったりとくつろげる空間になっている

カフェの一角に設けられた診察室の扉を開くと、なんとそこにはソファとローテーブルが!照明機器からは柔らかな光がこぼれています。
カフェを訪れるような気軽な気持ちで、診察やカウンセリングを受けてほしいからなんです」と、小林先生。

診察室とは思えない落ち着いた空間

これならば、愛犬も「動物病院か」と身構えず、緊張感も少なく診察が受けられそうです。

ふだんはカフェで飼い主さんとくつろぎながらこのスペースに慣れておけば、さらに動物病院に対する愛犬の苦手意識も薄らぐに違いありません。これも、カフェを併設している動物病院の良さのひとつと言えるでしょう。

 

1時間のカウンセリングを重視

予約で行う初回の診察は、たっぷり1時間かけるのも特徴です。

まずはソファでくつろぎながら、飼い主さんの悩みを先生方はじっくり聞いてくださいます。そして、愛犬の皮膚がどのような状態なのかを、飼い主さんが理解できるまで説明してくださるそうです。

「皮膚病の治療方法は、ひとつではありません。飼い主さんのライフスタイル、飼い主さんが愛犬のケアにかけられる体力と気力、愛犬の性格や体格を最大限に考慮しながら、カスタムメイドで治療方針を一緒に決めていきたいからなんです」(小林先生)。

皮膚カフェ小林先生獣医さんが白衣などを着ていないところも診察でリラックスできるポイント

多くの皮膚病の治療は、長期戦です。

たとえば3日に1回のシャンプーが必要でも、シャンプーの効果や正しい方法を知らないと長続きしなかったり、薬に頼った治療だともう治らないと諦めてしまうケースも少なくないと聞きます。そうなると、皮膚病の改善は見込めません。

飼い主さんのできる範囲で、長期に及ぶ治療を継続することがまずは大切だと、獣医師の先生方は考えているのです。初診ではカウンセリングのほか、検査が行われるケースがほとんどだそうです

治療の3本柱は、食事管理、スキンケア、生活環境の改善

痒みを訴える犬が診察に訪れた場合、症状に合わせた食事内容の改善と、シャンプーや保湿などの適切なスキンケアを行うだけで、減薬が可能になったり、内服薬が不要になったりするケースも多いとか。

薬を使わなくても治る痒みを、まずは取り除いてあげたい。薬に頼りすぎないというのも、目指している治療方針です」(小林先生)。

 

トリマーと獣医師の連携プレーや多彩なセミナーで飼い主さんを徹底サポート

トリミングサロンのトリマーさんが、「スキンケア検定」の認定資格を持っていて、獣医師との連携でトリミングやスキンケアがなされる点も、大きな安心材料です。

その子その子の皮膚の状態にベストなシャンプーを獣医師が選び、トリマーさんに使用してもらえるのです。愛犬のトリミング風景を時々見ながら、カフェでのんびり待つことも可能

トリミングだけで来店したワンちゃんの皮膚トラブルに、トリマーが気付いて獣医師に報告するケースもめずらしくないとか。

オプションメニューのハーブパックやナノバブル炭酸水は、皮膚の状態を健やかに保つのに役立つと言います。27e3361b77682721c6e3a52a50f5faf5_s_572犬のスキンケアに関する知識が豊富なトリマーさんが揃っているので安心

さらに、カフェスペースを利用しての飼い主さん向けセミナーも開催されています。

過去には「暖かくなる季節に気をつけたい皮膚・耳の病気」や、「皮膚疾患のワンちゃんのためのごはんセミナー」などが開かれました。

「皮膚病は、再発しやすかったり、残念ながら完全には治らないことが多いもの。その、治らないことに多くの飼い主さんが悩んでいると思いますので、治療の目的とゴールを明確にして、飼い主さんと一緒に考えながら一歩ずつ進んでいければと思っています」と、小林先生は語ります。

クリニックとトリミングとカフェという3つのサービスがひとつになることで、飼い主さんは気軽に施設を利用しながら病気に対する知識を深められ、治療方針やケアにも安心感が得られるのだと実感しました。

このような施設が今後も全国的に増えていくことを、期待したいと思います!

hiff café tamagawa
犬猫の皮膚科診療の為に、カフェで過ごす時間をこよなく愛する獣医師3人が立ち上げた田園調布にあるカフェ。病院と違う雰囲気で、コーヒーを飲みながら犬猫の皮膚病、耳疾患の診察(hiff cafe × pet skin clinic)、病気のご相談、しつけ、問題行動のカウンセリング(hiff cafe × counseling)を受けることができる。また、皮膚病の治療と密接に関係する、スキンケア、シャンプーやトリミング(hiff cafe × trimming)を併設。
hiff cafe tamagawa × pet skin clinic

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Writer&editor
臼井 京音(うすいきょうね)

ドッグライター・写真家として、15年以上にわたり日本各地や世界の犬事情を取材。毎日新聞の連載コラム(2009年終了)や、AllAbout「犬の健康」(2009年終了)、現在は『AERA』、『愛犬の友』、『BUHI』など、様々な媒体で執筆活動を行う。オーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、2007年には、東京都中央区に「犬の幼稚園 Urban Paws」をオープン。犬の幸せを願うドッグトレーナーに支えられ、園長・家庭犬のしつけインストラクターとしても、飼い主さんに役立つ情報の発信に努めている。
自宅暗室で焼いたモノクロ写真は、ペットショップP2、ドッグリゾートWoof、ドッグサロンDogoldなどのインテリアにも使用。
東京都動物愛護推進員、東京都中央区の動物との共生推進員。

主な著書:『うみいぬ』『室内犬の気持ちがわかる本―上手な育て方としつけ方をアドバイス! 』
編集著書:
『最新版 愛犬の繁殖と育児百科』 『最新版 愛犬の病気百科』 『愛犬をケガや病気から守る本』

愛犬をケガや病気から守る本: 犬にも人にも優しい飼い方のメソッド

 

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