【ドッグトレーナー連載】子どもが生まれたら犬を飼いなさい? by鹿野 都

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子どもが生まれたら犬を飼いなさい」ということわざを聞いたことはありますか?ネット検索すると、イギリスのことわざや詩として紹介されており、その内容はとても興味深いものです。子どもの成長に伴って子どもを守ってくれたり遊び相手になり理解者となり、自らの死を持って命の尊さを教えるという内容です。とても共感できる内容であり、心にしみる言葉です。

ペットを飼うきっかけ

ペットフード協会の調査では、犬を飼うことで、心豊かに育っている、生命の大切さを理解するようになった等、子どもの豊かな心の成長に犬の飼育が大きく影響していることが分かります。ペットを飼おうと思ったきっかけについての調査では、1位:好きだから、2位:もらったまたは拾った、3位:癒し効果があるから、4位:家族の希望、5位:子どもの情操教育という調査結果があります。5位に子どもの情操教育のために、ペットを飼うという目的が上がっています。親なら、子どもの健全な成長を願うのはあたりまえで、その希望を持ってペットを飼うのでしょうね。

行ってきます。_572

行ってきます!

 

しかし、ペットを飼いさえすれば子どもの情操教育によいわけではありません。生き物を飼い、世話をすることが大事で、その過程から命の大切さや責任感が身についていくのだと考えます。犬でも猫でもその他の生き物でも、「飼う」ということは、共に生き、暮らすことです。大人が世話をして、お手本を見せて、子どもの年齢に応じた手伝い方をすることが大事だと考えています。親が大事に世話をしたり、愛情を持って接している態度がとても大事で、それを子どもがそばで見ることで、子どもの生き物を大事にする心が育っていくと考えています。

子は親をうつす鏡、犬も?

今、我が家は3歳児の子育て真っ最中ですが、先日息子にこんなことを言われました。「ぼくね、わんわんになりたいの~。」なんで?と聞くと、「パパとママがわんわんを大事にしてくれるから~」息子の真意はわかりませんが、このやりとりで母として感じたのは、私と夫が犬に関わる仕事をしていて、普段から犬たちと楽しく接していることや職場に連れて行きいつも一緒だということを意味しているのかなと思いました。子どもは親を見て育ちます。犬への態度も見ていますので、愛情もって育てることが、結果として情操教育につながるのでしょう。

犬も一緒に遊ぶ_572

犬たちも一緒に遊びます。

 

ペット飼育による子どもへの効用

ペットを飼うことで子どもに良い影響を与えるという研究はたくさんあります。ペット飼育者と飼っていない子どもを比較した研究の一部を紹介します。

・非言語コミュニケーション能力が高い(Guttmann, 1985)
・共感性が高い(Bryant, 1985 ; Poresky, 1990)
・他者との関わり合いや社会援助の重要性、他の人や生き物に対する気配りの重要性を知ることができる(Bryant, 1990)

狙われています。_350狙われてます・・・

きちんとペットと関わること、そして子どもの成長過程に応じた世話をして、親や周囲の大人が見守ることが重要だと思います。犬や猫、その他の動物たちと過ごす時間はかけがえないもので、愛情を持って向き合うことが、真の情操教育であると思います。

<文献>
Guttmann, G., Predovic, M. & Zemanek, M. 1985. The influence of pet ownership on non-verbal communication and social competence in children (Proceedings of the International Symposium on the Human-Pet Relationship, IEMT, Vienna). 58-63.
Bryant, B. K. 1985. “The neighborhood walk: a study of sources of support in middle childhood from the child’s perspective” Monogr. Soc. Res. Child Dev. 50 (serial no.210).
Bryant, B. K. 1990. “The richness of the child-pet relationship: A consideration of both benefits and costs of pets to children.” Anthrozoös 3: 253-261.
Poresky, R. H. 1990. “The Young Children’s Empathy Measure: reliability, validity and effects of companion animal bonding.” Psychol. Rep. 66: 931-936.

 

学術博士 鹿野 都

DSC_3044トリミング麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて人と犬の関係を学び、主に子どもと犬について研究を進め、2008年に博士(学術)号を取得。 大学院中にアニマルセラピーで有名なアメリカのニューヨークにあるグリーンチムニーズにインターンを経験し、動物介在介入の現場で学んだ。 大学院中に放課後キッズワン教室という子どもと犬が遊びながら学べる教室を研究の成果をもとに運営し、現在ではスタディ・ドッグ・スクールにて引継ぎ平成26年で10年となる。動物介在教育の分野では実践と研究に取り組み、プログラム開発や指導を行っている。
動物介在教育指導者養成講座委員
セラピーアニマル評価者養成講座委員
動物介在教育マスターエデュケーター
麻布大学共同研究員
スタディ・ドッグ・スクール
スタディ・ドッグ・スクール ペットドッグトレーナー育成コース

 

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