【ドッグトレーナー連載】小学校で犬と一緒に授業?思いやりの気持ちや命の大切さを by鹿野 都

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犬も子どものやることに興味深々。そばで見守ります。

 

こんにちは。子どもと犬についての研究や活動をしている鹿野都です。

私が小学校の授業に犬を介在させる取り組みを始めてから、十数年が立ちました。始めた当初は、先生に「噛みませんか?おしっこはもらしませんか?」と不安そうに聞かれるなど、犬への理解はほとんどありませんでした。
また、アレルギーの問題もあって、学校の中に入ること自体がとても難しかったです。

 

今では学校側から依頼されるまでに

しかし、お願いした学校の校長先生に理解があり、可能な範囲を考え取り入れていただけ、まずは希望者にふれあってもらうところから始めました。その様子を見て、トレーニングされた犬で噛んだりしないことが分かってもらえると、ようやく授業の一部に参加することができました。

昔は、導入すること自体がとても大変でしたが、今は、学校側からの依頼を受けて話がスタートするようにまで変わり、実施している相模原市では犬を取り入れた授業を知っている先生方も増え、継続して実施する学校が増えてきました。

 

教育支援犬って、何をするの?

犬が授業に入ってどんなことをしているのでしょうか? 一番多い要望は、「ふれあい」です。最近は、住宅環境によってペット飼育ができないところも多く、生き物とふれあう機会がとても少なくなってきています。また、学校飼育動物もいない学校もあり、身近に生き物とふれあうこと自体が減っているようです。

そこで適性があり、トレーニングされた犬、「教育支援犬」が活躍することになります。ふれあうことで、温かさ、鼓動を直接感じることができます。
他の動物でも感じることはできますが、ウサギをクラス全員が触るとウサギにストレスがかかってしまいます。犬の場合、フレンドリーな適性とトレーニングがなされていること、ハンドラーが適切なハンドリングをすることで、犬にストレスがかからないように取り組んでいます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA小学校の授業の様子、6年生対象「いのちの授業」

 

思いやりや気持ちを読み取る力を養う

実施内容は、授業の目的やねらいに応じて先生と相談の上、犬を介在させたプログラムを作成します。犬と関わることによって、子どもの心の成長に良い影響を与えることは海外の研究のみならず、日本においても報告されています。

実際に授業を通して、犬に触れたことがなく怖がっていた子が、手を伸ばして触れるようになり「犬が好きになったよ」と笑顔で声をかけてくれたことがありました。
また、特別支援学級の子どもたちは、ブラッシングなどの犬との交流を通して“お世話をする”気持ちを知り、自ら積極的に動くように変わりました。この変化には、担任の先生もとても驚いていたようでした。

犬とふれあうことで、思いやりの気持ちを育んだり、相手の気持ちを読み取る力がついたりと、心の面での良い影響が数多く報告されています。

犬を飼っている家庭でも、どのように関わるか、大人がどのようにサポートしてあげられるかによっても、子どもたちへの影響は変わってきます。子どもたちは大人の接し方を見ていますので、大人がお手本になるような飼い方、接し方を身に着けることが重要になります。
犬と接することを通じて、子どもたちが、命の大切さや互いに心を通わす幸せを知ってくれるといいですね。

 

学術博士 鹿野 都

DSC_3044トリミング麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて人と犬の関係を学び、主に子どもと犬について研究を進め、2008年に博士(学術)号を取得。 大学院中にアニマルセラピーで有名なアメリカのニューヨークにあるグリーンチムニーズにインターンを経験し、動物介在介入の現場で学んだ。 大学院中に放課後キッズワン教室という子どもと犬が遊びながら学べる教室を研究の成果をもとに運営し、現在ではスタディ・ドッグ・スクールにて引継ぎ平成26年で10年となる。動物介在教育の分野では実践と研究に取り組み、プログラム開発や指導を行っている。
動物介在教育指導者養成講座委員
セラピーアニマル評価者養成講座委員
動物介在教育マスターエデュケーター
麻布大学共同研究員

スタディ・ドッグ・スクール
スタディ・ドッグ・スクール ペットドッグトレーナー育成コース

 

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