愛犬の甘えの行動、拒むと傷つくの?ちょっと困った愛情表現のやめさせ方 by 牧口香絵

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顔をペロペロなめてきたり、飛びついてお出迎えしてくれたり、飼い主にとってはうれしいけれども、ちょっと迷惑なこともある愛犬の愛情表現。今回は、その上手なやめさせ方について考えてみましょう。

甘え行動1:「口元をペロペロなめてくる」

■母犬に餌をねだるなごり

口元をペロペロなめてくる行為は、もともとイヌ科の動物が示す親和行動、愛情表現です。子犬のころ、離乳しても消化機能がまだ未発達で、すぐには母犬が獲ってきた獲物を食べられないため、母犬はいったん咀嚼したものを吐き戻して子犬に与えます。そして、子犬たちは母犬の口元をなめて、吐き戻しを要求します。犬が口元をなめてくる行為は、そのなごりです。現在はもう餌の要求ではなく、「甘え」の表現として残っています。


■直すためには家族の意見を統一

「なめるのをやめさせたい」というご相談で多いのは、犬に食糞のくせがあり、ウンチを食べた口でなめてくるのは勘弁してほしいというケース。とくに赤ちゃんのいるご家庭では切実です。一方、「もっと甘えてほしいのに、うちのコはなめてくれない」と寂しがる飼い主さんもおられます。

ですから、なめるのをやめさせたいというご相談を受けたときは、必ず、ご家族がどう思っているのかを確認します。家族のなかで意見が分かれていると、直すのが難しいからです。みんなが統一してイヤだという姿勢を示さないかぎり、直りません。


■「無視」して習慣の断ち切りを

それでは、直すにはどうすればいいのか。犬は「あなたのこと大好き」と言っているのに、すごい勢いで「ダメ!」と叱ったら、犬だって傷つきます。叱るのではなく「無視」してください。

なめてきそうになったら、黙ってその場から立ち去るなど、犬がなめられない状態をつくること。なめるチャンスを与えると、習慣を断ち切れません。
その代わり、違うコミュニケーションを増やしてあげましょう。例えば撫でる、マッサージをする、おもちゃで遊ぶなど、「家族と愛情を交歓したい」というそのコの気持ちに別のコミュニケーションで応えてあげるわけです。

 

甘え行動2:「ピョンピョン飛びつく」

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■飼い主さんが飛びつきを助長する?

「飛びつき」もよくみられる犬の愛情表現ですが、中型犬以上のサイズだと人を倒しかねないし、犬が嫌いな人にとってはたいへん恐い行為になるので、私もさせないように指導しています。
実は、飛びつきは、飼育環境や飼い主さんの接し方が助長していることも少なくありません。私は、子犬を飼い始めたら、必ず屋根付きのサークルを使うようにおすすめしていますが、それは、屋根がないと、飼い主さんは何でも上からやろうとするからです。上から犬を抱き上げる。上からペットシーツを替える。犬がピョンピョンすれば、上から「いいコいいコ」と相手をする。ここで、飛びつきの二足歩行レッスンが始まってしまうわけです。


■小型犬はパテラの原因にも

小型犬の場合、潜在的にパテラ(膝蓋骨脱臼)を抱えているコが多く、この月齢から二足歩行をさせると、膝に負担がかかってパテラを発症しやすくなります。飛びつきは甘えの行動でもあるので、たいていの飼い主さんは飛びつきを喜んで容認していて、子犬のころから習慣化してしまっていることも多いんです。


■「おすわり」の強化で対応

飛びつきを直す場合にも、叱るという方法はとりません。その代わり、飛びつきと同時にはできないことを犬にさせます。例えば「飛びつく」と「座る」は一緒にできないので、飛びつきがひどいコは、まず人の前で座る練習をさせ、飛びつきを消去していきます。
犬の体を押したり、膝で蹴って直そうとする人もいますが、そのやり方は犬の体を傷める可能性がありますし、ラブラドールみたいに元気なタイプは、接触されるとうれしくて飛びつきがエスカレートしてしまうこともあります。

 

甘え行動3:「じ~っと見つめる」

犬の愛情表現は、他にもいろいろあります。「抱っこをせがむ」、「いつも体のどこかを寄せてくる」、「じ~っと飼い主を見つめる」というコもいます。

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柴犬の子犬を飼い始めた飼い主さんから、「とにかく1日中、自分のことを見つづけている。どうしたらいいですか?」と相談されたことがあります。お母さんのことがすごく好きで、気になるのでしょうね。1回ぐらいは「いいコだね」と言ってもいいですが、朝から晩までほめていたら疲れてしまうので、自由にしてくださいと答えました。

うちの愛犬も、私がパソコンをOFFにすると、遊んでもえられると期待するし、私が「よし」と言うと、次に違うアクションを予測して身構えます。犬は驚くほど飼い主のことを観察していて、やることを読んでいるんですね。

 

飼い主さんのことが大好きな気持ちから発される、愛犬のさまざまな愛情表現。やめさせるにしても、その気持ちをむげに拒むようなやり方は避けたいものです。

 

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◆ 今日の愛犬コーディー ◆

年齢とともに人の好きなものや趣味が変わっていくように、犬も好きなタイプのおもちゃが変わっていきます。幼い頃は少し固めのラテックス製のおもちゃが好きだったコーディーですが最近ではぬいぐるみのようなものを好みます。何歳になっても遊びへの興味は絶えず、出張から帰り深夜の帰宅となっても「遊ぼうよ」と言ってきます。

私と遊ぶことが大好きなので、他の家族のメンバーと遊ぶことはあまりしません。何時に帰宅しても遊んでいます。疲れて帰宅しても愛犬と向き合うとリフレッシュできるので最近では私のために遊んでくれているような気がしてきました。。。

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牧口 香絵

獣医師 牧口 香絵

ペットの行動コンサルテーション[Heart Healing for Pets]代表

1998年に麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成を始める。愛犬はボーダーテリアのコーディーちゃん。
・AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員

愛犬をやさしく癒す クリスタルヒーリング

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