愛猫のトイレ・トラブルと解決法。トイレの縁に手をかけておしっこ、エア砂かけ…、不思議なスタイルは猫からのSOSかも? by牧口香絵

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トイレの縁に手をかけながらする。さっさとトイレを済ませ、砂もかけずに出てくる。トイレじゃないところで、しきりに砂をかくしぐさをする・・・等々。「うちのコのトイレスタイル、変わってるわ」と思い込んでいる飼い主さん、それは変わっているのではなくて、問題行動。「トイレが気に入らないから、他のものを用意して」という猫からのSOSなんです。

 

トイレSOSを出されたら?

■SOSの原因は多種多様
その原因はさまざま。トイレが小さすぎる、設置場所が悪い、猫砂の素材が気に入らない、猫砂の量が足りない、掃除の頻度が少なくてトイレが汚い…あらゆる面を点検してあげないと、改善はしません。床を汚さないようにと、粗相する場所にトイレシートを置く人がいますが、それは根本的な解決にはなりません。なぜ愛猫がそういう行動をとってしまうのか、猫からのSOSサインを追及することが大切です。

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■まずできることは?
愛猫からSOSを出されたら、本当は、そのコの行動と環境を専門家に見てもらうのが一番ですが、自宅でできる方法としては…

まず猫は清潔好きなので、つねにトイレをきれいにしてあげる。そのコが好きなトイレの形、サイズ、砂の種類・量などを探り出して用意する。設置場所も重要。動線上に置くのはもちろん、洗濯機など音の出る電化製品や食事スペースの近くもNG。
猫は清潔好きで、食事場所とトイレスペースを分けたがるので、もし粗相する場所が毎回同じなら、そこを食事場所にしてしまうのも一つの方法です。

■「トイレカフェテリア」で徹底究明
それでも改善しない場合は、徹底した原因究明が必要で、「トイレカフェテリア」という方法をとります。複数のトイレを置いて、そのコがどのタイプのトイレを好むのかを試すもの。時間もお金も労力もかかりますが、いったん原因がわかれば後はラクになります。

本来、トイレは5個ぐらい用意し、それぞれトイレ1個分ぐらいの間隔をあけて並べます。元の問題トイレと、残り4個については、「砂は一緒でトレーを変える」「トレーは一緒で砂の素材を変える」など、何が原因かを究明するために、条件を一つだけ変えて調べていきます。

 

猫が嫌うのはこんなトイレ!

猫はどんなトイレを嫌うのか、チェックポイントをまとめてみました。

■掃除
トイレは、排泄した場所の砂をすくいとるだけでなく、定期的に砂を全部取り替えてください。粗相がある場合は週1回、ない場合は月1回程度をめやすに。その際、固形石鹸などでトレーもきれいに洗います。塩素系洗剤はにおいが付いて猫が嫌がるので、NGです。最後は太陽干しで洗剤のにおいを飛ばします。

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一番やってはいけないのは、全部を取り替えず、古い砂と新しい砂を混ぜて使うこと。汚れた砂が混ざっている可能性があり、不衛生だし、においをまき散らすことにもなります。人が「におうな」と思ったときは、嗅覚が優れた猫にとっては相当なにおいになっています。

■設置数
トイレの数は基本、猫の数+1個。猫を1頭飼っていたら、2個のトイレが必要です。

■トイレ容器
カバーで覆われたドーム型トイレは、砂が飛び散らないので飼い主さんには便利ですが、においが中にこもるので、嫌がる猫もいます。いろんなタイプのものを試して、本当にそのコに合ったものを使ってあげることが大切です。

■トイレの砂
猫は木の香りは好みますが、フローラル系の香りのついた砂などは苦手なコも少なくありません。また、形状は、一般に細かくて柔らかいものを好みます。お布団での粗相がよくあるのも、柔らかいところが好きだから。

 

猫が粗相をする4つの原因

猫が粗相をする原因は、大きく4つあります。

(1)性的なもの(オスに多い)
去勢の有無にかかわらず、外で発情した猫がうろつくなど、性を刺激されることがあると、それに反応してしまいます。

(2)泌尿器の病気(過去の罹患も含む)
現在、泌尿器の病気にかかっている場合だけでなく、過去に泌尿器の病気を患い、排尿で苦しい思いをした経験があると、当時と同じトイレだと、過去の記憶がよみがえり怖くてできないことがあります。

(3)トイレが気に入らない

(4)ストレス(飼い主さんの体調、家庭内のいざこざ、家族構成の変化なども)
一番多いのは、ストレスです。猫は環境変化に弱くデリケートなので、家具ひとつ変えただけでも、ストレスになることがあります。

 

とくに注意が必要な「多頭飼育」

とくに多頭飼育の場合は、注意が必要です。もともと猫は単独で広い縄張りのなかで暮らす動物なのに、多頭飼育だと縄張りが重なります。狭い居住空間で、相性が合わないと、ストレスから粗相が誘発されることもあります。とくに3頭以上は問題行動が出やすいです。

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また、多頭飼育の場合、誰が粗相したのかがわかりません。そこで、フルオレセインという蛍光色素を猫のごはんに混ぜて、粗相した個所にブラックライトを照射して確認します。1頭が粗相したと目視でわかっていても、実は2頭目がいたということもあるので、全員確認したほうがよいでしょう。排便の場合は、フルオレセインの代わりにクレヨン(野菜などでできていて、食べても害がないもの)を使って確認します。

 

トイレとストレスの問題が解消すれば、猫の粗相はなくなる

原因のストレスを取り除くには、猫の本能的な動きができるような遊びや運動をさせることが効果的。さまざまなバリエーションのおもちゃ(知育玩具や自動で動くおもちゃ)を提供してあげるとよいです。猫は垂直方向の動きが得意なので、狭いスペースでも階段やキャットタワーなどで工夫ができます。また、完全室内飼育の場合は、猫草やキャットニップなどの植物を置いて、においを嗅いだり食べたり、自然に触れさせるのもおすすめです。

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トイレ環境とストレスの問題がなければ、猫の粗相は絶対になくなります。犬のトイレトレーニングのように時間をかけなくても、そのコの好みのトイレを用意してあげれば、必ずそこでするようになります。飼い主さんは、それを見つける努力をしてあげてください。

 

牧口 香絵

獣医師 牧口 香絵

ペットの行動コンサルテーション[Heart Healing for Pets]代表

1998年に麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成を始める。愛犬はボーダーテリアのコーディーちゃん。
・AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員

愛犬をやさしく癒す クリスタルヒーリング

 

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