[獣医師コラム]愛犬のブラッシング、やっていても、実はできていないことが多いんです!お手入れの基本

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換毛期を迎えて、毎日、愛犬の抜け毛に悩まされている飼い主さんも多いかもしれません。ブラッシングは犬のお手入れの基本ですが、自己流でやっていて、本来のブラッシングの役目を果たしていないケースもよくみられます。
今回は、必要な道具と使い方、失敗しやすいポイントについてお話ししましょう。

 

ブラッシングはなぜ必要?

ブラッシングの意義は、ダブルコートの犬ならとくに換毛期、もつれを取るのと、死毛を落とすために必要です。死毛を取り除かないと皮膚への風通しが悪くなり、皮膚病の原因になることも。
またプードルやヨーキーなどのシングルコートの犬は、換毛期の抜け毛がない代わりに毛がもつれやすく、スタイル維持のためにブラッシングは必須です。
一方、短毛の犬は、毛同士がもつれて絡まることもなく、抜かなければいけない死毛は自然に抜け落ちていくため、本来、人が手を貸す必要はありません。しかし、自分の犬の全身に触る機会はブラッシングのときぐらいしかないので、大切なコミュニケーションの場として活用してください。超短毛の犬はとかす毛がないので、ミトン型のラバーブラシなどで撫でてあげるだけで十分。皮膚を刺激して新陳代謝を高める効果もあります。

ブラッシングの頻度は、犬種やその犬の毛質、季節によって変わってきます。できれば毎日が理想ですが、サロンでお手入れしているコでも、最低1週間に1回はしてあげてください。

 

まず揃えたい「スリッカー」と「コーム」

犬種によって揃えたい道具は異なりますが、とりあえずスリッカーとコームがあれば、どの犬種でも対応可能。超短毛の犬はコームすら不要で、柴犬ぐらいの毛の長さから必要になります。あとは用途に合わせて、長毛を維持する犬種(シーズーなど)なら、仕上げに毛の流れを整えるのにピンブラシを使うことがあります。また、獣毛ブラシは艶出し用です。

ブラッシングの基本手順は、最初にスリッカーで地肌からといた後に、コームをかけて毛が通るかを確認します。もつれがあって引っかかるときは、再びスリッカーに戻ってもつれを取ります。もつれがあるときは、コームやピンブラシでは引っかかるだけで役に立ちません。
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失敗しやすいポイントはココ!

●スリッカーは力加減が難しい
スリッカーは力加減が難しく、同じ個所を10回ぐらいブラッシングすると皮膚が傷ついて出血することがあります。とかすときは力を抜いて優しく行うこと。自分の手の甲に同じように当ててみて、筋がつくレベルだと強過ぎです。

●地肌までブラシをしっかり通す
スリッカーは地肌までしっかりブラシを通すことが大切です。「ブラッシングはちゃんとしています」と飼い主さんはおっしゃるのですが、よく見るとダマだらけということも多い。これは、表面の毛を撫でているだけで、地肌までブラシが届いていない証拠です。そういう人には、コームを使ってダマがないか、地肌までブラシを通せているか確認することをおすすめしています。
例えばシェルティなどで、オーバーコートはきれいなのに、アンダーコートがもつれて地肌に張り付いてしまっていることがあります。そうなれば、トリミングは丸坊主にするしかありません。とくにアンダーコートがあるコは、ブラッシングやシャンプー時に、きちんと地肌が見えているかどうかチェックしましょう。

●腋の下、内股などはもつれやすい
とくに毛がこすれる部分(耳の付け根、脇の下、内股、尻尾の付け根など)はもつれやすいので、しっかりブラッシングしてください。犬が嫌がるやりづらい場所なので、つい背中ばかりやりがちですが、背中よりも重要です。

 

ブラッシングで気づく異常のサイン

ブラッシングをしていて、異常に気づくことがあります。普段もつれない部分が急にもつれたりしている場合は、本人がいじっている可能性が高く、病気だったり、ストレスのサインだったりします。
例えば異様に耳にダマができている場合、外耳炎を起こしていることがあります。また最近、トイプードルなどで増えているのは「毛引き」といって、自分で毛を舐めてダマをつくり、ハゲてしまうケース。トイプードルはもともとアクティブな犬種のため、十分に運動をさせていないと暇つぶしやストレスからそうした行為をくり返します。

ブラッシングは、被毛のケアだけでなく、こうした健康チェックの大切な機会でもあることを忘れないでくださいね。

 

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箱崎加奈子

獣医師・トリマー・ドッグトレーナー 箱崎加奈子

アニマルクリニックまりも 院長

麻布大学獣医学部卒。気軽に立ち寄れるペットオーナーのためのコ ミュニティスペースを目指し、「ペットスペース&アニマルクリニックまりも」を東京都世田谷区、杉並区に開業。病気はもちろん、予防を含めた日常の健康管理、ケア、トリミング、預かり、しつけなどを行う。2011年「女性獣医師ネットワーク」を立ち上げ、女性獣医師のための支援 として、動物病院の働き口や技術向上のための講習会の紹介を行っている。

アニマルクリニックまりも
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