[獣医師コラム]犬の心臓病のはなし 冬場や夏の猛暑、心臓に負担をかけない工夫を!

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冬は循環器系の病気の犬には過ごしやすい季節ですが、冬にも注意したほうがいいことがあります。今回は心臓病についてお話します。

 

犬の心臓病の8~9割を占める
「僧帽弁閉鎖不全症」

犬の心臓病で圧倒的に多いのが、「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」という弁膜症です。この病気は、何らかの要因で弁が変性して、うまく閉じなくなります。弁は血液を一方向に流すための蓋の役割をしていますが、弁がうまく閉じられなくなると血液が逆流して、心臓に負担がかかってしまいます。発症当初はほとんど症状がありません。病院で聴診器をあてたときに、たまたま雑音がして発見されることもあります。進行すると咳が出る、あまり動かなくなる、すぐにハァハァゼーゼーする、などの症状がみられ、さらには肺水腫や失神を引き起こすことも。

咳をしていても、のどに何かがちょっと詰まっただけ、動きたがらないのは年のせいなどと思ったり、気管虚脱などの咳と勘違いして、ひどくなって初めて愛犬の心臓が悪いことに気づくケースもあります。

夜間や明け方など安静時に咳が出るのは、心臓が悪い場合の特徴ですから、愛犬をよく観察して、十分に注意してください。

 

肥満や寒暖差が大きな負担に

心臓に負担をかけないためには、まず、体重管理が大切です。太っていれば当然心臓への負担が大きくなります。実際、心臓病を患っている犬でもダイエットをしたら症状がずいぶん軽くなったというケースもあります。ただし、無理なダイエットも負担を大きくすることもあるので、心臓病をすでに患っている場合には動物病院で相談しながら行ってください。

僧帽弁閉鎖不全症を患っている犬の場合、極端な暑さや寒さにより心臓の負担が大きくなることがあります。心臓病の程度と症状にもよりますが、寒い時間帯の散歩は避けた方が良いでしょう。急激に気温が下がると、心臓への負担に。朝起きてすぐに散歩に行くのではなく、昼間の暖かい時間帯に行ったり、家の中でウォーミングアップをしてから行くなど工夫しましょう。家の中の寒暖差にも注意してください。

また、冬場に湿度が高い地域にお住まいの方は、心臓の負担が増える可能性があるので注意してください。

 

なぜ寒い時期に注意が必要なのか

一般的に、心臓病は夏の極端な暑さや湿度の方が負担になることが多いです。しかし、冬場も寒くなると血管が収縮して血圧が上がり、循環器系の負担が大きくなります。また、地域によっては冬場の方が湿度が高くなる地域もあります。冬場も適度な温度、湿度の管理を行ってください

 

関連リンク

▶Petwell 犬の病気事典「犬の僧帽弁閉鎖不全症」

▶Petwell 犬の病気事典「犬の肺水腫」

 

 獣医師 小林豊和

グラース動物病院 院長

日本大学大学院獣医学研究科修了。1993年、東京都杉並区にグラース動物病院開業。生涯のホームドクターを目指し、ホスピタリティを重視した診療を実践。スタッフの得意分野を生かしたチーム医療で、きめ細かなケアをめざす。食事についての造詣も深く、オリジナル無添加ドッグフードの監修も。共著に「獣医師さんが教える手づくり愛犬ごはん(主婦の友社)」「年をとった愛犬と幸せに暮らす方法(WAVE出版)」など、著書・監修は多数。

 

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