[獣医師コラム]やけどや誤飲にご用心!健康かつ安全に過ごすための冬の環境作り

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♪猫はこたつで丸くなる、と歌にもあるように、猫はもともと寒さが苦手な動物で、冬は体調も崩しがちになります。今回は、猫が健康かつ安全で快適に冬を乗り切るために知っておいていただきたい、環境作りの注意点や冬の過ごし方についてお話しします。

 

暖房器具でのやけどにご用心!

猫のために、温かい環境を整えましょう。猫の寒がり方には個体差があり、やせている猫やあまり活動的でない猫、抵抗力の弱い高齢の猫や高齢の猫は寒さに敏感です。

一方で気をつけたいのは暖房器具の取扱いです。猫は人よりも体温が高い分、熱さを認識する表皮温も高くなっています。人は45℃以上になると熱さと痛みを感じてやけどすると言われていますが、猫は熱さを感じる温度がそれよりも高くなります。そのため、ストーブやヒーターに近づきすぎて、シッポの毛やヒゲなどが焦げているのに気がつかないこともあります。ストーブなど直接、熱や火が出るものは、サークルで囲うなど猫が近づきすぎないように気をつけましょう。

また、ぬくぬくと温かいホットカーペットの上に長時間じっとしていて、低温やけどをすることもあります。ホットカーペットをつけているご家庭で冬場、お腹の毛がはげている場合は低温やけどの可能性があります。猫の居場所に敷物を敷くなど、長時間、猫の体がカーペットに直接触れることがないよう配慮しましょう。

炊飯器や湯沸かしポットなどで暖をとろうとして蒸気でやけどをすることもありますので、十分に気をつけてください。

 

エアコン、ホットカーペットで冬でも熱中症に!

熱中症は夏の病気だから、冬には関係ないと思っている人は多いのではないでしょうか? けれども、猫が大好きなこたつやホットカーペットも長時間、動かずにじっとしていれば脱水症状を起こして、熱中症になることもあります。

また、エアコンのかけっぱなしにも注意が必要です。特に人感センサーのついているものは、センサーが猫を感知しなかったり、また感知しすぎて風が当たりっぱなしになったりすることもあり、猫にとっては万能とは言えません。猫は自分で快適な場所を見つけるのが上手な動物です。留守中にエアコンをつけて外出するときには、閉めきらずに猫が好きな場所に自由に移動できるようにしておいてください。

熱中症予防のために、定期的な換気を行い、いつでも水が飲めるようにしておいてください。

そのほか、便利な暖房家電も猫がコードをかじって感電したり、オシッコを引っかけて漏電したりなど、思わぬトラブルの原因になることもあります。家電に頼るばかりでなく、猫ベッドやお気に入りの場所に毛布などの暖かい敷物を敷くなどして、温かい場所を作ってあげてください。

 

不快な静電気を防ぐためには適度な加湿を

空気が乾燥する冬は静電気の季節でもあります。猫の体を被う毛はセーターのようなものですから、猫を撫でようとしてバチッと静電気が起こることもあり、猫が驚いたり、不快に感じたりします。また、冬は人と同様に皮膚が乾燥するためフケも増えますし、乾燥していると猫風邪などのウイルスの活動を活発になります。

静電気と乾燥の予防のためにも、加湿器などで、室内に適度な潤いを与えましょう。

 

水を飲ませるためにも、しっかり遊んで不足解消!

また、冬になると水を飲む量が減るという問題もあります。「寒いからのどが渇かない」「水が冷たいから飲まない」と思っている人が多いのですが、水をあまり飲まなくなる一番の原因は運動量が減ること、つまり寒くて体を動かさなくなることです。運動量が減れば、体のなかで作られる代謝水の量が減り、さらに水を飲む量が減ることでオシッコが濃縮されて、泌尿器の病気にかかりやすくなります。冬は飼い主さんもじっとしている時間が多くなりがち。猫に水を飲ませるという点からも、冬こそ猫とたっぷり遊んで運動量を増やすことを心がけましょう。

水分を補給させる工夫としては、ウェットフードを与えるのが一番確実な方法です。ドライフードしか食べない場合は、ドライフードに水をかけて与える方法もあります。猫によって反応は分かれるようですが、常に新鮮な水が飲める循環式給水器などを試してみるのもよいでしょう。

 

クリスマスやお正月はストレスと誤飲に注意

年末年始はクリスマスやお正月などのイベントシーズンで、日頃とは違って何かとせわしなく落ち着かない時期です。お歳暮の配達や来客など、人の出入りが頻繁になることが猫のストレスとなり、猫が体調を崩すこともありますので、猫が静かに過ごせる場所を用意して、いつも以上に猫の様子に気を配りましょう。

また、年末年始は誤飲が増える時期でもあります。クリスマスツリーの飾りやプレゼントのリボン、塊のハムやチャーシューのビニールや金具など、猫がうっかり飲み込んでしまうこともありますので注意が必要です。さらにポインセチアやシクラメンなどの植物は、猫が食べると中毒を起こす危険性がありますので、猫のいる場所には置かないようにしてください。

 

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獣医師 内田 恵子
元ACプラザ苅谷動物病院 専務取締役 統括院長

JAHA認定獣医内科医
JAHA認定パピーケアスタッフ
日本小動物血液療法研究会会長
内科・神経科・行動学を中心に、脳と心の治療の研究がライフワーク。

 

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