【ドッグトレーナーがお答え!】犬のしつけQ&A「ところ構わずオシッコをしてしまいます」

 

Q. ところ構わずオシッコをしてしまいます

引っ越しで友達が飼えなくなったので1ヵ月前よりダックスを引き取りました。前の家ではきちんとシートにオシッコをしていたらしいのですが、うちに来てからはせず、ところ構わずテーブルの足やマットにします。リビングの中にいれて、リビング以外ではオシッコをしないようにさせてますが、シートにはする様子がないです…。

日中、リビングから家族がいなくなると甘えた声で鳴き、その後にオシッコをしていることが多いです。きちんとトイレを覚えさせるにはどうしたらいいのでしょうか?放尿だらけで困ってます。

相談者:ハルさん
愛犬:ラリーくん・ダックス・♂・2歳

 

A. まず、ラリー君がオシッコをするときの様子を見てください。

このとき、オシッコをする格好をしてもなかなかオシッコが出ない、出たオシッコをティッシュなどで吸って、光に反射させるとキラキラと光る、といったことが見られたら、排尿に関する器官の疾患が疑われますので、まずは動物病院に行って病気の治療を行ってください。そして、疾患の疑いがないようであれば、ラリー君は生活環境が変化したことで、不安な気持ちになることが多くなり、分離不安の傾向が出てきたのかもしれません。

この分離不安の一症状として、人と離れると排泄をすることが含まれます。この場合、ラリー君に1頭でいることの練習をする、つまり1頭でいても不安にならない練習をしていきます。

準備するものは寝床となるハウス(プラスチック製で扉付きのもの推奨)とコングなどフードを中に詰めることのできるオモチャ(ラリー君が夢中になれる物)です。まずはご飯をハウスの中で与えてハウスに入ることに慣らしていきます。そして、人がラリー君から離れるときに、オモチャにフード(このときにしかもらえない大好物だと、より効果を発揮します)を詰めてハウスの中で与えます(この時、ハウスの扉を閉めないでください)。

初めは、1分でも30秒でも構わないので、ラリー君が不安な徴候を見せる前にすぐに戻って、オモチャを人の手元に戻してください。そして、1頭にする時間を少しずつ伸ばす練習を重ねハウスの扉を閉めた状態で2~3時間ほど大人しくできるようにしてきます。

この練習を毎日、少しずつ行うことで、不安な傾向はおさまり、人と離れてもところ構わずオシッコをすることも減ってきます。少し長い道のりになるトレーニングですが、根気よく頑張ってください。どうしても、上記の手法でご相談内容が解消されないようであれば、犬の問題行動に詳しいドッグトレーナーにご相談ください。

 

編集部より)
このQ&Aは「メールでのお問い合わせ」に回答したもので、個別カウンセリングを行った結果ではありません。
愛犬の問題行動の予防やお困りの際は、しつけ方教室やドッグトレーナーを活用されることをおすすめします。

 

ドッグトレーナー/学術博士 長谷川成志

長谷川麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、トレーニング中の犬のボディランゲージの研究を行い、動物人間関係学の分野で学位を取得。 アシスタントドッグ育成普及委員会(H13~17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。 2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得し、スタディ・ドッグ・スクールを企画運営している。

スタディ・ドッグ・スクール
スタディ・ドッグ・スクール ペットドッグトレーナー育成コース

 

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長谷川成志

ドッグトレーナー(スタディ・ドッグ・スクール所属)、学術博士、 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、トレーニング中の犬のボディランゲージの研究を行い、動物人間関係学の分野で学位を取得。 アシスタントドッグ育成普及委員会(H13~17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Ce…

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